研究課題/領域番号 |
20520623
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
三沢 伸生 東洋大学, 社会学部, 准教授 (80328640)
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研究分担者 |
石丸 由美 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (80408989)
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キーワード | 近代史 / 史料学 / データベース / 国際関係 / 歴史学 / 国際情報交換 / 日本・トルコ / オスマン帝国 |
研究概要 |
本研究は、日本・トルコ関係史を歴史学研究として学術的に研究する上において不可欠となる基礎史料の発掘・収集を行いながら、学術的研究の俎上に取り上げられることが稀有である日本・トルコ関係史の推移過程を明らかにすること目的とする。この目的に即して日本語史料とトルコ語史料の双方において基礎史料の発掘・収集・分析を展開し、将来の様々な研究に貢献する成果を得た。 日本語史料では、研究代表者の三沢がトルコに長期滞在となったため、当初予定していた大久保幸次および新聞・雑誌史料のデータベース化作業を22年度に実施するとし、研究分担者の石丸由美が、明治期においてトルコに渡航した日本人の叙述史料・文書史料の発掘に努め、田健治郎の日誌をはじめ埋もれていた史料の発掘を行い、また三沢は石丸の協力のもと戦間期にイスタンブルに開設された日本商品館にかかわる文書史料を分析してその成果を学術論文にまとめた。同時並行でこうした新規史料のデータベース化作業も行い、CD-ROMブック形態の史料集作成を視野に入れた最終年度における研究成果発表のための準備作業を行えたことが意義ある成果である。 トルコ語史料では、トルコ長期滞在を活かして三沢が、エルトゥールル号事件を含め、19世紀末から戦前期に至るおよそ半世紀の日本関係のオスマン朝公文書に関して追補調査行い、既収集分を含めて約1500点を全てデジタル収集・分析したことが最大の成果である。またオスマン語の新聞・雑誌史料にかんしても当初計画の『Servet-i Funun』、『Sebilu'r-Resad(Sirat-1 Mustekim)』に加えて、『Sehbal』、『Resimli Kitabi』というオスマン朝期からトルコ共和国初期にかけてのグラフ誌に関して完全収集を達成し、データベース化と分析作業を行うことが出来たのが大きな成果である。トルコにおいてもデータベース構築に関心が高まっており、本研究の重要性について賛同を得ている。
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