研究課題
原子時計の小型化&安価化により、チップスケール原子時計(Chip Scale Atomic Clock)がさまざまな電子機器に内蔵されることになり、電子機器同士がほぼ正確な時刻を共有するというまったく新しい時間・時刻情報の使い方が出現することが予測されている。これは単に時間精度が向上するだけでなく、情報通信の原理や作り方を変えてることになる。この研究課題では、現在の情報システムの基盤となっている分散システムへの影響を中心にその影響を調査することを目的としている。本年度は同期、相互排除、認証、暗号化などの分散システムにおいて必須となる分散アルゴリズムや通信プロトコルについて、事象順序づけや識別子の生成において時刻情報を使っているかを調べるとともに、原子時計を想定した分散アルゴリズムの設計を行った。具体的には高精度時計を前提にしたトランザクション処理におけるログベースのデーター貫性制御とリカバリー処理である。そしてベクタークロックなどの分散コンピュータ間の因果関係維持プロトコルを実時間性を使うことで簡略化することを試みた。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Information Systems Frontiers(Springer) Vol.11, No.5
ページ: 501-512
New Generation Computing Vol.27
ページ: 177-196