研究課題
今年度、浜松医科大学への移動、およびPETのtracerの供給の現状により、以下の通りの研究業務を行った。1. サル実験の基本の条件をセットアップ。浜松医科大学では、サルの研究は初めて行うので、先ずは、サルにおける研究の基本の条件をセットアップした。訓練室、訓練、飼育、手術、PET計測、画像解析及び救急など必要な物品を購入、セットアップした。2. パーキンソン氏病(PD)サルモデルを作成した。3. これらのPDサルモデルにおける、行動判定テストの訓練、施行、評価を行った。4. 視床下核脳深部電気術(STN-DBS)。上記のサル全てに対して、麻酔下に、MRIの画像を参考に、刺激電極をサルの左側視床下核に定位的に挿入した。5. STN-DBSの最適条件を探し、Food reaching testで、電気刺激の効果を確認した。6. 上記のサルモデルにおける、H_2^<15>O及びMNPAをtracerとして、PET計測を行った。(1) 有効な電気刺激下、H^2_<15>O用いて、サル脳血流の変化を測定した。DBS施行中の、脳血流をPETで測定した結果は、DBS側の運動野、補助運動野、上頭頂葉、視床、と対側の小脳の血流増加であった。(2) 有効な電気刺激(刺激頻度145HZ、持続時間60μs、電圧2.8v)又は手運動の条件下MNPAを用いて、サルのドーパミンD2受容体の変化を測定した。DBS対側の淡蒼球、尾状核の一部におけるMNPAの取り込みが高くなり、前帯状回と刺激側のLIP野の一部では低くなった。今現在、電気刺激と手運動なし、及び電気刺激なし、手運動のみという二条件下の測定がまだ終わってないので、これらの結果の解釈は難しい。来年度、引き続き、前述した条件における計測のデータをまとめて、この結果の解析を行う予定である。
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