研究課題/領域番号 |
20H01546
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
児玉 耕太 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (90419424)
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研究分担者 |
石田 修一 東北大学, 工学研究科, 教授 (00326539)
仙石 愼太郎 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (00401224)
林 永周 立命館大学, 経営学部, 講師 (10774416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | イノベーション / 大学発ベンチャー / 産学連携 / IPO / アライアンス |
研究実績の概要 |
初年度である今年度は立ち上げのため、採択後、月1回のオンライン班会議を開催し、各研究分担者である東北大学・教授・石田修一先生、立命館大学林先生、研究協力者である立命館大学野口先生から各自の研究テーマ紹介を行ってもらうとともに、研究進捗について共有を図った。また、東工大の仙石先生との研究室では、研究進捗ミーティングを合同で行うなど、より綿密なコミュニケーションを図った。その結果、まずは研究担当者に土地勘のあるバイオベンチャーに焦点をあて研究を行った。科学技術の革新から医薬品シーズを開発するバイオベンチャー企業は、多額の研究開発費、長期にわたる研究開発業務、研究開発の成功確率の低さなどの課題を抱えている。このような課題に対処しつつ、持続的にイノベーションや新薬を生み出すためには、既存の製薬企業との業務提携が経営上の最重要課題の一つとなっている。本研究では、このような創造的な活動の持続性の起源を理解するために、提携の種類を調査した。まず,2010年以降に公開された日本の創薬系バイオベンチャー企業16社の公開情報をもとに,提携の内容と開発中の製品への影響を調査・分析した。その結果,すべての企業が,IPO(新規株式公開)時に製薬企業との業務提携で得た資金で事業を継続していた。また、これらの企業の提携プロジェクト(n=73)のうち56%がシードアウト、32%がシードインであり、シードアウトに限らない柔軟な提携戦略を採用していることがわかった。バイオテックベンチャー企業の持続的な成功のためには、複数の戦略的選択肢を検討することが重要であることが明らかとなった。この中には、大学も数多く含まれていた。この結果について、国際誌であるSustainability誌に報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のため、調査対象である大学への訪問、インタビューが各大学のローカルルール(北海道大学では、訪問前2週間は札幌での滞在が必要)のため、制限されたため、研究計画をオープンデータベースを用いたものに修正を行った。また、北海道大学で2020年夏に開催を予定していたワークショップはその影響で開催ができなかった。しかしながら、国際誌であるSustainability誌へ報告を行うことができるなど、一定の研究成果を出すことができ概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年夏に開催予定であったワークショップは、2021年夏(8/21-22)にオンラインで開催する予定であり、またコロナ禍の影響が今後も長期間に渡って続くことが考えられるため、インタビュー等の研究計画は一部修正して、オープンデータベースや行政データ、SNSデータを活用する計画へ修正を行いつつある。研究期間は、あと3カ年あるため、対応は可能であると考えている。
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