Protein disulfide isomerase (PDI) はタンパク質のS-S結合形成を触媒し、タンパク質の立体構造を作る役割を担う。神経変性疾患患者の脳では、PDIがS-ニトロシル (SNO) 化され、これが異常タンパク質の蓄積の原因とされる。そこで、本研究ではPDIの脱修飾により認知機能の低下抑制作用を発揮する食品成分の同定を試みた。糖負荷およびグルタチオン枯渇による神経変性モデル細胞をフラボノイド配糖体であるネオヘスペリジンで処理したところ、SNO化PDIが脱修飾され、神経変性が抑制された。このことから、ネオヘスペリジンは認知機能の低下抑制作用を有する可能性が示唆された。
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