研究課題
2005年の建築直後から実施している自然環境共生住宅における温熱環境実測調査では、時間経過に伴う居住者の生活状況の変化とその変化が温熱環境に及ぼす影響について明らかにした。さらに、地階は上層階に比べて年間を通じた温湿度変化が小さく、夏期の湿度が高く推移し、窓開放や除湿器使用の住宅で空中浮遊菌のI/O比が小さく、付着菌濃度は内装材表面温度が低い箇所で高かった。菌種同定の結果、外気は豊かな自然環境により担子菌類が多かったが、室内では濃度は低い傾向にあった。寒冷地の住宅における内窓設置による昨年調査のフォローアップと夏の実態調査を実施し、夏はエアコンのOn/offに応じて26℃から35℃の範囲で変動がみられた。支援および要介護高齢者の健康状態は、1日の歩数、アクチグラフによる睡眠効率や歩行テストに夏と冬とで有意な差が認められなかった。省エネを考慮した室内温熱環境の調節に関する実験では、薄着の方が扇風機の風を上手く調節することで気温は高くてもSET*で約1℃低い環境となった。寒がりは薄着で約30℃と気温が高くても気流調節で暑くも寒くもない状態となり、暑がりより着衣および気流調節が効果的にできていた。室温上昇や下降時の生理心理反応では、寒がりの被験者は皮膚温等生理反応は同等でも、寒く不快であると申告した。気密性等と関係のある空気環境では、学生アパート10戸で、室内化学物質濃度を測定し、夏期閉鎖状態のホルムアルデヒド濃度は半数で室内濃度指針値を超え、木製家具の量や換気設備と室内濃度の関連性が示唆された。LDK一体型の住宅で生活空間のにおいについて、採取した臭気試料を用いてパネルと居住者の嗅覚測定を行った。パネルの評価は臭気濃度10~320、平均値は63であった。臭気強度は平均値でパネルが2.6、居住者が2.7で、快・不快度はパネルも居住者も平均が-0.73で同程度だった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 2011
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (28件)
ハウスクリマ研究ノート
巻: 38 ページ: 29-34
Journal of Thermal Biology
巻: 37 ページ: 65-71
巻: 37 ページ: 1-10
巻: 37 ページ: 11-18