研究課題/領域番号 |
21390232
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
河田 則文 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30271191)
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研究分担者 |
森田 隆 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70150349)
田守 昭博 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30291595)
榎本 大 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20423874)
小川 智弘 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (70448752)
志賀 亮子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (50382221)
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キーワード | サイトグロイン / 肝硬変 / 肝癌 / 線維芽細胞 / ジエチルニトロサミン / ビタミンA |
研究概要 |
我々はCYGBの生体内での病態生理学的意義を明らかにする目的でC57BL/6マウス11番染色体上に存在するCYGB遺伝子のExon1をネオマイシン耐性遺伝子で置換してCYGBのヘテロ欠損マウス(CYGB^<+/->)とホモ欠損マウス(CYGB^<-/->)を作出した(特許公開2010-051277)。雄のCYGB^<+/->あるいはCYGB^<+/->マウスは自然経過では腫瘍形成しなかったが、ジエチルニトロサミン(diethylnitrosamine, DEN)25ppmを4~6ヶ月投与した発癌実験において、野生型CYGB^<+/+>では20%のマウスに肝腫瘍が発生したのに対して、CYGB^<+/->あるいはCYGB^<-/->マウスでは何れも100%で肝腫瘍または肺腫瘍が生じていることを確認した。肝臓ではα-fetoprotein, interleukin-1, transforming growth factor-βのmRNA発現、PCNAなど細胞増殖に関連する分子発現が亢進していた。この様な現在までの知見から、CYGB欠損は臓器の酸化ストレス制御を破綻させ細胞の癌化に寄与する可能性を見出してきた。すなわちCYGBが癌抑制遺伝子であることを提唱している(特許出願中)。CYGBに関しては世界中でも数カ所の研究室しか機能解析していない蛋白質であり、また、CYGB^<-/->マウスの作出は現在までのところ申請者らのみが成功しているため本研究は独創性が高く、当施設でのみ可能である。
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