孤立特異点のμ不変デフォーメーションやライフェンの特異点に対して、b関数と微分方程式系との関係を解析した。L(f)=2などの条件の下で、デフォーメーションとb関数の根の変化に関する公式を与えた。 ・b-関数計算に用いる微分作用素(b-作用素)との関係が大変強いLogarithmic Comparison Theoremに関する専門家であるセビリア大学(スペイン)のF.J.Castro-Jimenez教授とJ.M.Ucha-Enriquez教授を訪問し、研究結果に関する議論を行うとともに、b作用素の構成に関する情報収集を行った。特に、本研究課題に関連したライフェンの特異点に関する先行結果がLogarithmic Comparison Theoremに関連した不変量の考察に有用であることが議論によって明らかになった。その不変量とb関数計算で現れる不変量との関係に関する考察を深めた。 ・μ不変デフォーメーションにおけるb関数の根の変化に関する研究をされているボルドー大学(フランス)のP.Cassou-Nogues教授に来校いただき、これまでの研究結果に関する議論を行うとともに、今後の研究方針に関する情報収集を行った。 ・計算代数の観点から特異点の研究を行うための情報収集の一環として、スペイン・テネリフェで行われた第一回EACAスクールに参加した。本研究課題に必要となる特異点を扱うための代表的な数式処理ンステムの1つであるSlngularに関するレクチャーの他、フロベニウス問題や系統学を代数的に研究する新しい分野に関する講演に参加し、情報収集を行った。
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