細胞の増殖、分化や癌化に関連するERK MAPキナーゼのリン酸化様式をイメージング、及びコンピューターシミュレーションにより解析を行った。MEK-ERK分子の反応に関与する30以上の反応速度論的パラメーターを実験により実測し、シミュレーションを行った。その結果、これまで報告されていた「分配的(distributive)リン酸化反応モデル」ではなく「一連(processive)リン酸化反応モデル」に従ってERK分子が細胞内でリン酸化されていることが予測された。阻害剤などによる実験によるリン酸化反応モデルを検証したところ、processiveリン酸化反応モデルを支持する結果が得られた。これらの結果より、哺乳類細胞においては、ERKはMEK分子により一連リン酸化反応モデルに従ってリン酸化されることが明らかになった。
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