研究課題
最終年度である今年度は,これまで実施した東シナ海における大気海洋現場観測の解析をさらに進め,さらに非常に多様な東シナ海の大気海洋相互作用の理解を深めるために,2013年11月には長崎大学・長崎丸を使用して投下式水温計と気象ゾンデを用いた観測を行った.数値計算では,比較的短期的な計算から,気候の視点に立つ長期的な計算まで,さまざまな実験を実行した.前者では,観測と連携する数値計算を行うとともに,集中豪雨についての数値実験によって,東シナ海の海面水温の急激な上昇が梅雨期の集中豪雨発生時期に大きな影響を及ぼしていることを明らかにした.また後者では,地球シミュレータ上の高解像度大気大循環モデルで実施した東シナ海を陸地にした感度実験結果を解析し,東シナ海が大気循環に及ぼす影響を調査した.さらに,双方向ネスティングモデルを使った黒潮前線に対する大気応答実験を行った.また,東シナ海の黒潮と同じく亜熱帯海域のジェット・海面水温前線であるハワイ風下反流の維持機構に関して,大気の局所的・力学的な応答が重要であることを,大気海洋結合モデルを用いた数値実験によって明らかにした.また新たに,九州東岸沖の黒潮小蛇行が主として冬季に形成される理由を,東シナ海の黒潮上における大気の駆動の季節依存性によるという仮説を立てた.今後その検証が期待される.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (46件) (うち招待講演 3件)
Journal of Geophysical Research
巻: 119 ページ: 1498-1509
10.1002/2013JC009419
Journal of Geophysical Research: Atmospheres
巻: 119 ページ: 1277-1291
10.1002/ 2013JD020610.
Journal of Climate
巻: 27 ページ: 155-167
10.1175/JCLI-D-13-00117.1
Journal of Geophysical Research-Oceans
巻: 119 ページ: 266-275
10.1002/2013JC009327
Monthly Weather Review
巻: 141 ページ: 3769-3785
10.1175/MWR-D-12-00161.1
Data Assimilation for Atmospheric, Oceanic and Hydrologic Applications
巻: 11 ページ: 509-526
10.1007/978-3-642-35088-7_21
JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH: OCEANS
巻: 118 ページ: 6881-6893
10.1002/2013JC009326
巻: 26 ページ: 7267-7279
10.1175/JCLI-D-12-00586.1
巻: 26 ページ: 8641-8653
10.1175/JCLI-D-12-00379.1
巻: 26 ページ: 10111-10124
10.1175/JCLI-D-13-00231.1
巻: 141 ページ: 3539-3555
10.1007/s10113-013-0484-9
海と空
巻: 89 ページ: 9-18
Journal of Physical Oceanography
巻: 43 ページ: 1899-1910
10.1175/JPO-D-12-0223.1