研究課題
法源論の歴史的展開については、小川、葛西、松本、溜箭の4名が南アフリカ法制史学会に参加した。現地の報告者の複数の報告を通じて、南アフリカにおける法源の在り方を、実地に体験することができた。ローマ法、教会法17世紀以降のオランダの法学者、イングランド法、南アフリカの判例が検討されたうえで、実定法の解釈が行われていた。また、この学会で松本が日本の不法行為法について報告し、そこで法源の在り方についても論じ、参加した外国研究者(主としてヨーロッパの研究者)との質疑応答を経ることによって、日本の法源の在り方(特に外国学説の受容)について説明することができた。比較法関連では、2012年2月に新潟大学で開催されたシンポジウム「法典化の19世紀-(ポスト)コロニアル・パースペクティブ―」の成果が公表された。本シンポジウムは、南アフリカ、ブラジル、日本というヨーロッパの法を受容した側から法の移植、あるいは、拡散という現象を観察した。受容される側の法のパッケージ化と受容する側の消化による独自の変容、この過程での受容される方への逆照射の問題が浮き彫りにされた。本年度は最終年度にあたるので、3月に全体研究会を開催し、そこで小川が総括的に、ヨーロッパにおける書かれたテクストのあり方とその取扱いあり方との歴史的展開を論じ、守矢がサヴィニーの『使命』における法源論、とりわけ仏・墺の民法典についての議論を紹介し、議論した。また、松本がセルビア・モンテネグロとの対比で日本の法典編纂について論じた。今後の検討課題との関連では、特に法源論における学説・学問的テクストの重要性が共通の認識としてもたれた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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