研究課題
定量的技術評価シミュレータを開発し、メタ認知能力を高める内視鏡外科手術トレーニングを考案した。(1)医学生(Novice)17名とベテラン(Expert)9を被験者とし、Virtual realityシミュレータ用いた定量的作業効率と被験者の認知度合いとの関係を認知心理学的に分析した。Noviceは作業効率と認知度合いに相関を認めなかったが、Expertはある程度相関していた。(2)内視鏡外科手術の定量的技術評価シミュレータを開発し、トレーニングセンターの参加者を被験者とし、シミュレータの評点システムを検証したが、定量的技術評価シミュレータは、NoviceとExpertを判別することが可能であった。また、九州大学病院内視鏡外科トレーニングセンターの受講者のうち576名を初級者(N群;n=276),中級者(M群;n=161),上級者(E群;n=145)に分け、縫合結紮のスピード・クオリティを分析した。針の把持より結紮終了までのスピードは受講前に比べ全群で受講後有意に速くなったが、3群間の有意差は依然として認めた。受講後の2回目の結紮スピードは有意差を認めなくなった。制限時間内の縫合数(個)は受講前に比べ全群で受講後有意に増えたが、3群間の有意差は依然として認めた。針刺入点のずれ、糸の緩みは受講後全群で有意に大きくなった。鉗子移動距離や速度は、受講後N群左鉗子で増加、M群右鉗子で増加していた。短期トレーニングでも結紮スピードは速くなるが、針の取り回しなどの鉗子操作は経験量に応じた継続トレーニングを要する。
すべて 2012
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Pediatr Surg Int
巻: Apr;28(4) ページ: 341-346