研究課題
本研究の目的は、モンゴル高原における土地制度と移動牧畜の実践の関係性を、主として文化人類学的な手法を通じて解明することであり、具体的には、1)土地制度の実効性、2)住民と土地制度、3)土地利用の実態について比較研究を行い、土地をめぐる制度の規定力と現実との関係性を個別地域について明らかにするとともに、地域偏差の実態を明らかにすることを目指している。本年度は最終年度であるため、基本的にはデータの最終的な分析と取りまとめを行うとともに、震災の影響で現地調査の実施に影響が出た分に関して追加調査を実施した。追加調査に関しては、研究分担者である上村が、牧畜民にグループを組織させることが事業の一部になっている、米国ミレニアム・チャレンジ基金の3プロジェクトについて、それぞれのウランバートルにあるプロジェクト・コーディネーター事務所を訪問し、これまで行なった事業の自己評価について聞き取り調査を行なった。その結果、牧畜民グループが地域の有力者による牧畜資源の独占の手段とされたり、成員構成が頻繁に変わり牧畜民グループが長続きしないことなどが問題点として認識されていることが分かった。分析の取りまとめについては代表者である尾崎が中心となって行い、その成果報告の場およびモンゴルの研究者との意見交換の場として2012年6月30日に内モンゴル自治区フフホト市で国際シンポジウム「牧畜地域における制度と実践」(主催:内蒙古大学経済管理学院・内蒙古大学蒙古学研究センター・鹿児島大学)を実施した。また国内での最終成果報告として2013年3月に日本沙漠学会沙漠誌分科会2013年度研究会「モンゴルにおける災害と人間活動の変容」を実施予定であったが、これに関しては諸般の事情により年度内開催はできず、2013年4月14日に実施された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (3件)
人文学科論集
巻: 77 ページ: 37-51
H. Futaki et al. (eds.) "Монголын орны газрын зураг болон газар нутгийн нэрийн судалгааны асуудлууд"
巻: - ページ: 1-16
"Олон улсын монголч эрдэмтдийн Х их хурлын илтгэлYYд", III Боть
巻: - ページ: 34-37
Батжаргал, З., ФYжита Н., Яамаура Н. (eds.), "Монголын нYYдлийн мал аж ахуй экосистемийн сYлжээ"
巻: - ページ: 467-487
Husel B. and Imanishi J. (eds.) "The History and Culture of Mongols in the 20th Century: Collection of Treatises in the 2011 International Symposium in Ulaanbaatar"
巻: - ページ: 223-233