研究概要 |
今年も現地調査を実施し、以下の成果を得た。 石垣島のサトウキビ農家の赤土流出防止対策アンケートを実施。緑肥,株出し,グリーンベルトという対策間の逆選択を考慮したDEA分析を行った結果,緑肥とグリーンベルトは現在の支援なしでも対策の継続が予想されるが,株出しでは,現在の支援がなくても対策を継続する農家は約半数に留まることが明らかとなった。今後,最適なGAP設計のため流出削減効率を最大化する支援の重みを明らかにしていく。 また石垣島の圃場データを用い,これまでの赤土対策の効果を検証し効率的な赤土対策が実施された場合の流出削減効果を試算した。石垣島の圃場データを用い,これまでの赤土対策の効果を検証した。 PDCAサイクルに基づくISO内部監査システムの改善手法を赤土GAPに適用するプログラムの構築も試みている。赤土GAPの効用を高めるため、チェックリストの整備を行い、さらにそのチェックリストを有効に機能させるための組織をISOに倣って構築している。 資金援助面からは、22年度に実施した先行研究レビューをもとに、23年度は石垣島現地で各種のサンゴ礁保全活動を担っている関係者にインタビューを実施し、得られた知見をもとに石垣島サンゴ礁保全活動を対象としたコーズ・リレイテド・マーケティング実施の可能性を検討した。さらにこれまでの先行研究レビュー、現地インタビュー調査をまとめた論文を、日本サンゴ礁学会誌へ投稿中である。 このように環境直接支払いにおけるGAP設計のための新しい知見が得られつつあり、最終年度の24年度は現地報告会を予定している。
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