研究課題
Zc3h12aはRNA分解酵素領域と、CCCH型Zinc finger領域を持っており、その遺伝子はToll-like receptor (TLR)刺激により発現誘導される。Zc3h12a欠損マウスは自己免疫性炎症性疾患を自然発症する。また、Zc3h12a欠損マクロファージはTLR刺激に対してIL-6を過剰産生し、Il6 mRNAがより安定化していた。また、Zc3h12aのRNA分解酵素活性がIL6 mRNA分解に必須であった。今年、Zc3h12aの蛋白質としての発現を検討するために、抗Zc3h12a抗体を作製した。この抗体を用いて、ウェスタンブロットを行うと、マクロファージをはじめとした免疫細胞において、Zc3h12aの発現が刺激前から認められることが明らかとなった。また、TLR刺激に対しZc3h12a発現はマクロファージをHela細胞で約15分以内に急速に低下し、その後2-4時間で回復した。この低下はMyD88シグナル経路に依存していた。この低下はプロテオソーム分解により、またZc3h12aのリン酸化、及びユビキチン化に伴うことが明らかとなった。従って、Zc3h12aはTLR刺激により、リン酸化、ユビキチン化を受け、それに伴いプロテオソームで分解されると考えられた。また、Zc3h12aの様々な細胞での役割を明らかにするために組織特異的Zc3h12a欠損マウスを作製した。本年は、Zc3h12aのExonをloxPサイトで挟み込むfloxマウスを作製した。現在までにこの遺伝子改変マウスの作製に成功しており、細胞特異的にCreを発現するマウスとかけ合わせている。今後、T、B細胞、マクロファージなとでのZc3h12aの役割を評価したい。
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