研究概要 |
1.地域防災力評価ツールは,自治体の防災担当職員との意見交換を通して実用化に向けた開発を行った。開発したツールの有用性検証のため,東三河5市の100以上の自治会(自主防災会)の役員から33の評価(質問)項目に対する回答を得て,現実の自治会の地域防災力評価を実施,自治体担当者から自治会相互や市平均との比較等が可能であり自治会の防災活動促進に役立つとの評価を得た。 2.地区内活動マネジメントツールと地区相互の活動連携支援ツールは先進的な活動事例の収集と蓄積共有すべき情報内容の検討から必要な情報のデータベースを構築,予備的ツール開発を試みた。 3.市街地整備案検討シミュレーターは,その基礎となる地区防災性能評価手法.(延焼危険性評価と行動困難性評価)を組み込んだ防災まちづくり支援WebGISシステムの高速化を,分散処理システム環境の構築と評価計算アルゴリズムの並列処理化の導入により実現,実際のまちづくりワークショップ現場での実証実験を実施,ワークショップの場で参加者が考えた整備素案の防災性能向上の効果を定量的に測定し視覚的に情報提供できる,現場で使えるシステム開発の見通しを立てることができた。 4この基礎的開発と並行して,既存の防災まちづくり支援WebGISシステムとVR機能をリンクさせて,個別建替えや共同建替え,公園整備,道路拡幅な.ど,ワークショップで参加者が考えた整備案の空間イメージ(将来の街並み景観像)を,その場で3次元表現すると同時にその防災性能評価結果も情報提供できるシミュレーターのプロトタイプ開発に成功した。 1.と3.の成果は国際会議論文(AURG2012)として発表済みである。2.と4.の成果は,2012年8月開催予定の国際会議DDSS2012で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新たな開発が必要な地区内活動マネジメントツールと地区相互の活動連携支援ツールの開発により重点を置きつつも,全体としては当初計画どおりに推進する予定である。本研究課題の目的である防災まちづくり活動マネジメントツールと市街地整備案検討シミュレーターの実証実験の対象地区については,地元自治会や自治体の協力が前提となるため研究推進上の不安定要素であるが,豊橋,東京,福岡で早期に決定できるよう分担者を含めた全員で対処する。
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