研究課題
初年度では、ロンドンのフロイト博物館を調査訪問し、カタログを参照しつつ、フロイトの蔵書のうち、フロイトによると思われる書き込みなどを調査した。19世紀初冬以降ドイツ文学作品をドキュメントとして、情動の文学的表現に着目してまとめ、単著論文「「汝、偶像をつくるなかれ」―フリッシュの掌編「ストーリー」に関する情動の生態学的考察」を発表した。二年目には、ウィーンのフロイト博物館や、ウィーン大学付属の解剖学博物館、医学誌博物館などを調査訪問した。これらによる成果をまとめて、単著論文「ポエジーの成立」(『思想』1068号、2013, 97-124頁)や単著『「妻殺し」の夢を見る夫たち――ドイツ・ロマン派から辿る<死の欲動>の生態学――』(松籟社、総405頁、2013、平成24年度ドイツ語学文学振興会刊行助成による出版)にまとめて発表した。また、これらと併行しつつ、人文学における情動理論の系譜を辿って、単著論文Die Ethologie des "Affekts" --- Von Spinoza bis Freud (Journal of the Schlool of Letters 9)として発表した。また記憶論と情動論を接合させつつ、名古屋大学文学研究科公開シンポジウム「虚構とは何か」を企画し、「虚構と物語――フロイトのモーセ論」と題して発表した。最終年度では、情動理論におけるスピノザや記憶研究におけるユダヤ思想に焦点を当て、アムステルダムのユダヤ歴史博物館など調査訪問した。また前年度の虚構シンポジウムを報告書にまとめる一方で、これらを基に、さらに数名の研究者に呼びかけ、『虚構の形而上学』という本を企画し、平成26年度研究成果公開促進費(学術図書)に応募し、内定を得た。
すべて 2015 2014 2013
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)
名古屋大学文学研究科公開シンポジウム成果報告書
巻: なし ページ: 7-18
名古屋大学文学部研究論集文学篇
巻: 60 ページ: 51-84
Plos One
巻: 9 ページ: e93771
doi: 10.1371/journal.pone.0093771.
Psychology of Well-Being: Theory, Research and Practice
巻: 3 ページ: 1-6
Psychological Topics
巻: 22 ページ: 205-219
Neuroscience
巻: 246 ページ: 362-374
Neuro endocrinology letters
巻: 34 ページ: 47-51
Journal of Neuroimmunology
巻: 260 ページ: 28-36
doi: 10.1016/j.jneuroim.2013.04.011
巻: 8 ページ: e72523
doi: 10.1371/journal.pone.0072523
巻: 8 ページ: e66018
doi: 10.1371/journal.pone.0066018.