九条家旧蔵本の概要を明らかにすべく調査を行った。 宮内庁書陵部蔵九条家旧蔵本について調査を行い、九条道房の整理・書写に関わる古典籍類を調査した。結果、道房の行った蔵書整理および蔵書形成に関する活動の詳細を明らかにした。東海大学附属図書館桃園文庫に蔵される『弘安源氏論義』について、九条道房の行った書写活動により書写されたものであることを、書誌的事項から推測・同定し、その報告を行った。天理大学附属天理図書館・島根大学附属図書館・広島大学図書館等において、九条家旧蔵本に関する調査を行い、その様相を明らかにした。 研究分担者である佐々木孝浩(慶應大学附属研究所斯道文庫)の協力により、斯道文庫および慶應義塾図書館に所蔵される、九条家旧蔵本の調査を行った。またその書影をデジタル撮影および紙焼き写真として収集した。 これまでの九条家旧蔵本に関する知見を纏めた論考「九条家旧蔵本の行方」(『これからの国文学研究のために』笠間書院・2014)を発表した。
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