わが国で主に使用されたアスベストのうち、アモサイト(AM)は1000℃以上での焼成処理により酸化鉄(ヘマタイトとマグネタイト)、結晶質シリカ(クリストバライトとトリジマイト)から成る複合体が生成され、その構成比率は焼成条件により異なる。本研究では、AMの焼成無害化処理品に含まれる鉄とシリカによる酸化ストレス、炎症作用を評価するため、細胞毒性試験とラット気管内投与試験を行った。AMの1200℃以上の焼成試料の慢性呼吸器影響には、繊維形状だけでなく、結晶構造のうち結晶質シリカの関与が重要であることが示唆された。
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