本研究では、途上国における農村開発と貧困削減の関係性について各国の大規模マイクロデータと自らが調査した家計調査データの双方を用いて、様々な視点(労働移動、不平等、農業の生産性改善)から分析を行った。先行研究では、貧困脱却のためには、農業生産性の改善、都市-農村間の移動やネットワーク化、農村経済の多様化、の3つが農村開発戦略の柱とされている。本研究からもそうした戦略の重要性は確認できたが、各国の発展段階や状況によって、その相対的な重要性は異なり、効果的な貧困削減や経済成長のためには、各国の現状に即したアプローチが望まれる。
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