研究課題/領域番号 |
24247007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚谷 裕一 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90260512)
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研究分担者 |
堀口 吾朗 立教大学, 理学部, 准教授 (70342847)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 葉原基 / 位置価 / ホロニック制御 / 葉形 / 葉サイズ |
研究実績の概要 |
(1)RTFLファミリーの位置価決定機構の解析 ゼニゴケにおけるRTFLをクローニングし、その過剰発現体と、ターゲティングライン、プロモーター:マーカーラインを作成する準備を進めた。またイネのRTFLの1つ、OsRTFL3のシロイヌナズナにおける過剰発現体を作成した。 (2) 細胞分裂過程と細胞伸長過程との間のホロニック制御のメカニズムの解明 an3変異体で発現する補償作用を打ち消すxs変異体について、その原因遺伝子をポジショナルクローニングで解析した。またAN3のキメラ発現体について、後期葉における表現型を解析するための短日条件での栽培・およびキメラ誘導条件を確立した。さらにレーザーによる単一細胞誘導系の条件検討を進めた。 (3)胚発生時の葉のアイデンティティー決定因子の解析 hanとan3の二重変異体は、それぞれの単一劣勢変異では見られない劇的な表現型として、胚の頂端側に葉のアイデンティティーではなく、根のアイデンティティーが与えられることを先に見いだしている。しかしこれは胚のアイデンティティを攪乱してadult化することで見られなくなることが、平成24年度に判明した。そこでadultのSAMにおいてhanとan3の二重欠損状態を誘導する試みを行なった。 (5)複葉の小葉形成の位置決定メカニズム ケシ科における複葉形成の方向性について、求頂的な種類と求基的な種類を選び、それぞれの小葉の分化段階の指標となる遺伝子の発現と成長勾配とを解析し、従来の仮説が間違っていることを見いだした(Ikeuchi et al. 2014)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ポスドクの手当て等の遅れがあったが、当初計画以上の進展が合ったテーマとして、ケシ科植物における複葉の小葉形成の方向性の問題がある。これについて、昨年度のIkeuchi et al. (2013)に加え、Ikeuchi et al. (2014)の2本目の論文発表に至った。当初計画していた解析テーマについても、順調に進行した。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでの成果を研究基盤として、最終ゴールに向けて研究を加速する。特に長軸方向の位置価として有力な候補因子であるRTFLの機能について論文化を進める。
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