研究概要 |
本研究課題に含まれる企業の海外進出形態の内生的選択のテーマに関して、多国籍企業の海外進出形態であるjoint ventureについての理論的分析を進めた。多国籍企業の進出先のパートナー企業の選択行動とjoint ventureへの技術移転の内生的決定行動を、政府が多国籍企業のJoint ventureの所有比率に対して規制を行い、その規制が市場構造を変化させることが起こりうる一般的なモデルに拡張して分析を行った。成果の一部は、9月にイタリアのバリ-で開催された、4th INTERNATIONAL CONFERENCE ON “ECONOMICS OF GLOBAL INTERACTIONS: NEW PERSPECTIVES ON TRADE, FACTOR MOBILITY AND DEVELOPMENT”で報告を行い、有益なコメントが得られたので、さらに分析を進めている。 次に、海外直接投資(Foreign Direct Investment: FDI)受入国の政府の貿易政策について、貿易自由化のための関税の引き下げとそれに伴う国内税制改革の理論的分析を、複数のモデルを用いて進めた。まず、海外直接投資が存在しない場合の政府の関税引き下げと国内企業の利潤税の改革について、寡占市場において企業がベルトランタイプの価格競争を行う場合について、明確な結論を得たので、”On the revenue implication of trade liberalization under Bertrand competition,” (with Tatsuya Iguchi, Economic Science, Nagoya University, 2013)として公表した。さらに関税引き下げと消費税改革の分析を行い、従来の研究では分析されていない改革の高価について、社会的厚生を引き上げることのできる様々な改革が存在することを示すことができた。その結果は、”Welfare and Coordinated Tariff and Consumption Tax Reforms under Imperfect Competition,” (with Tatsuya Iguchi, Ritsumeikan Discussion Paper, No. 13003)としてまとめた。
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