研究課題/領域番号 |
24530470
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
平野 実 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (00405507)
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研究分担者 |
李 在鎬 京都橘大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40342133)
朴 唯新 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20435457)
姜 判国 四国大学, 経営情報学部, 教授 (50405510)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知識ネットワーク / 社会ネットワーク分析 / テキスト分析 / 知識創造 / 自動車産業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,知識創造モデルを分析視角として,日本企業と韓国企業を対象とする実証研究によって,日本企業と韓国企業の知識ネットワーク(中核企業とサプライヤー群で構成される企業ネットワークの知識創造の型)の実態を明らかにすることである。 平成26年度では,日本企業と韓国企業の知識ネットワークの実態を明らかにするために,日韓の自動車企業や自動車部品サプライヤーの事例分析,自動車産業やICT企業の社会ネットワーク分析およびテキスト分析を行った。李(2014)の研究では,自動車部品中間財メーカーの成長戦略の軸を,製品(顧客価値),顧客,コアコンピタンスで構成される知識ネットワークを新たなリサーチフレームワークとして提示している。さらに,アウトミラーを製造する独立系サプライヤー2社の事例を取り上げ、2社が既存顧客との関係性の維持に拘らず,それぞれグローバル・ニッチ戦略と顧客拡大戦略を展開し,新たな存続の基盤,すなわち新たな知識ネットワークを見出そうとしており,一定の組織成果に繋がっていることを検証している。また,朴(2014)等の研究では,日韓の自動車企業やICT企業の特許情報(知識資本)を,社会ネットワーク分析やテキスト分析の手法を用いて分析し,各々の自動車企業やICT企業の技術開発戦略を可視化している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本企業と韓国企業の自動車産業とICT産業の知識ネットワークを構成する企業グループに存在する知識構造(主に知識資産:特許ポートフォリオなど)などは,概ね明らかとなった。しかし,昨年度に実施した,「知識ネットワーク」の規定因と組織成果の相互関係の分析の結果,当初想定していた「知識ネットワーク」を構成する規定因の再検討および変更が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
「知識ネットワーク」を構成する規定因の再検討と規定因の変更を行い,リサーチフレームワークの修正を実施する。さらに,修正したリサーチフレームワークで,日韓企業の「知識ネットワーク」の動態的進化を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に「知識ネットワーク」の動態的進化の分析を実施する予定であったが,「知識ネットワーク」の規定因と組織成果の相互関係の分析の結果,当初想定していた「知識ネットワーク」を構成する規定因の再検討および変更が必要となり,リサーチフレームワークの修正と再分析を行うこととしたため,次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に予定していた日韓企業の調査および再分析(「知識ネットワーク」の動態的進化の解明)を,修正したリサーチフレームワークで実施し,平成27年度にシンポジウムの開催,日本および韓国での国際学会での発表を行い,最終的な研究成果を纏める計画である。
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