研究実績の概要 |
複素解析と計算代数解析の観点から, 対数的ベクトル場および複素解析的特異点に関する研究を行った. 田島・鍋島が共同で, 擬斉次孤立特異点の変形として得られる半擬斉次孤立特異点族に付随する局所コホモロジー類を計算するアルゴリズム用いることで, 特異点のヤコビイデアルのスタンダード基底が変形パラメータにどの様に依存するかを求めるアルゴリズム, 異なる項順序に対するスタンダード基底を求める新たな計算手法を求めた. また, Tjurina数およびTjurina代数に対するスタンダード基底の変形パラメータ依存性を求める計算アルゴリズムを得た. 収束冪級数環におけるパラメータ付のシジジー計算アルゴリズムを導出し, その応用として, パラメータ半擬斉次孤立特異点族に対し, 対数的ベクトル場を構成する計算法を確立した. 渋田敬史と共同で, Matlis双対性に基づくことで, 特異点に台を持つ局所コホモロジー類の満たすホロノミーD-加群を具体的に構成する効率的な計算方法を求めた. 梅田陽子と共同で, 代表的な非孤立特異点であるsimple line singularityに付随して得られるホロノミーD-加群を研究し, 方程式系の局所コホモロジー解を求めることで, 特異点集合である1次元の stratum でのホロノミーD-加群のモノドロミー構造を求めた. 小原, 照井章と共同で, 有理数もしくは整数を成分に持つ正方行列に対する固有値問題を数式処理システム上でexactに扱う計算法について研究した. 最小消去多項式を用いることで,与えられた固有値に対する広義固有ベクトルを構成する計算法を導出した.
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