研究課題/領域番号 |
24590939
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
足立 政治 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (50467205)
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研究分担者 |
安田 一朗 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00377673)
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キーワード | 大腸がん / 紫外線 / がん予防 / EGFR / 脂質ラフト |
研究概要 |
我々は今までに大腸がん細胞株において短波長紫外線(UV-C)が強力に細胞増殖抑制およびアポトーシスを引き起こすことを見出しているが、平成24年度には古典的抗がん剤cisplatinとの組み合わせにより相乗的にEGFRの脱感作を引き起こすこと、また膵がん細胞株において、血小板由来成長因子(PDGF-BB)による細胞遊走能に対しUV-Cが抑制的に働くことを報告した。平成25年度は、このUV-Cを臨床応用するため、実際の内視鏡を用いたUV-C照射を具体的に検討することに重点をおいた。そのため本年度は臨床研究主体の論文発表となった。具体的にはUV-Cを膵に照射するのに使用できる可能性のある十二指腸スコープに関する論文を含め4本発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
UV-CはEGFRを含む受容体型チロシンキナーゼの存在する脂質ラフトにどう影響を与えるか検討した。DiIC16-Triton-X (TX)100 solubility assay による脂質ラフトの可視化を行い、高性能蛍光顕微鏡を用いてUV-Cによる影響を検討した結果、UV-Cは相当脂質ラフト形成に影響を与えることが分かった。このことは現在論文作成中である。しかし当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトにおける体外血液循環装置を用いた血液へのUV-C照射によるがんの転移抑制の有効性の検討;我々は最近、UV-Cががん細胞の遊走能を抑制させることを見いだした(Kawaguchi J Oncol Rep 2012)大腸がんでは浸潤転移の有無が生命予後を決定する重要な因子であることから、血液中に浮遊するがん細胞に対し、UV-C照射を行うことで、大腸発癌モデルマウスの転移抑制・生命予後延長効果があるかを検討する。 大腸発癌モデルマウスの血液へのUV-C照射実験;まず健常なマウスに対して、UV-C照射の安全性(有害事象、副作用)について検討する。尾静脈より一部血液を体外に取り出したうえでUV-Cを照射し、再びマウス体内(静脈内)に戻すことでどのような影響が出るかを検討する。培養細胞実験の結果から、30ジュール(J)以上のUV-Cで細胞増殖抑制効果を有し、また、10J以上のUV-Cで遊走能抑制効果を発揮することが分かっているのでこれらを目安にUV-Cの用量設定を行う。そして(ApcMin/+マウス使用)に基づいた腸管発癌モデルを用いる。UV-C照射方法は上記と同様であるが、照射するタイミング・量・間隔については十分に検討を行う。発生した腫瘍に関しては、肉眼的検討(tumor incidence and multiplicity)、組織学的検討(浸潤、転移の有無も含む)、標的分子(各種受容体型チロシンキナーゼとリガンド)の免疫組織学的検討を行う。腫瘍、あるいは腸管粘膜から蛋白、mRNAを抽出し、標的分子の発現状態について検討する(Western Blot、Northern Blot、RT-PCR、etc)。また採血にて血算、一般生化学検査を行い有害事象の有無についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究遂行にあたり、主に培養細胞実験、実験動物、蛋白質解析および遺伝子発現解析等の検討に要する消耗品費および試薬購入が必要であるため 培養細胞実験に用いられるクリーンベンチの維持費、実験動物の飼育・維持、蛋白質解析および遺伝子発現解析等の検討に要する各種消耗品費および試薬・抗体などに充てる予定である。
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