我々は児童虐待を防止する目的で,近年「虐待の難治例に存在する」といわれている「母親自身が発達障害をもつ家庭」への子育て支援プログラムを開発した。このプログラムは、母親が発達障害と診断されている対象家族に4回に亘り家族描画法を実施し、その場面を家庭用ビデオカメラに録ったものを我々が夫婦と共に画像を検証するものであり、検証を重ねる中で相互扶助力が高められることを目指した。 研究対象(協力)家族は、先行実験を行った健常者1家族および母親が障害をもつ3家族と、実施に至らなかった2家族である。実施に至った家族への終了後のアンケート結果からは、夫婦の中でも特に夫の意識の変化が大きいことが示された。
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