研究課題/領域番号 |
25282157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富川 盛雅 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (60325454)
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研究分担者 |
橋爪 誠 九州大学, 医学研究院, 教授 (90198664)
大平 猛 九州大学, 先端イノベーションセンター, 教授 (00275695)
村田 正治 九州大学, 先端融合医療レドックス研究拠点, 准教授 (30304744)
大内田 研宙 九州大学, 先端イノベーションセンター, 講師 (20452708)
宗崎 良太 九州大学, 大学病院, 助教 (10403990)
中楯 龍 九州大学, 先端イノベーションセンター, 助教 (40584470)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 外科 / 低浸襲治療 / 手術ロボット / 手術ナビゲーション |
研究概要 |
計算解剖学に基づくComputer assisted diagnosis(CAD)およびコンピュータナビゲーションシステムを搭載し、かつMRIのガントリ内で高磁場の影響をうけず作動し、MR画像にも影響を与えない高画質のMRI対応内視鏡を搭載した内視鏡マニピュレータおよびビジュアルサーボ制御による実時間穿刺経路修正プログラムを実装し、対象の移動と変形に対応できる能動穿刺マニピュレータを開発しつつある。現状では以下の結果が得られている。 1)能動内視鏡マニピュレータの開発:単孔式内視鏡下手術を想定し、術中の視点・視野の自由な操作が可能となるよう汎用保持マニピュレータと外套管マニピュレータからなる能動内視鏡マニピュレータの開発を行った.外套管には圧縮コイルばねを用いて屈曲の2自由度を実現し,体内で自由に位置・姿勢が操作可能な計6自由度の構成とした。ジョイスティックによる動作検証により,位置移動,屈曲動作が可能であることが確認された。また、内視鏡は小型化されたステレオ視をもつもので、対象物を3次元立体画像復元が可能なものを新たに開発した。今後は術具マニピュレータとの統合によるin vivo 実験を行い,システム全体の評価および改善を図っていく予定である。 2)開発中の穿刺マニピュレータは,4個のDCモータとそれによって駆動される4自由度リンク機構からなる。駆動部はワイヤとアウターチューブを介してマニピュレータを自律動作させる。マニピュレータの動作は画像処理と強化学習を統合した制御系によって自律的に最適化される。 3)Open MRIガントリ内の任意の場所、任意の方向のスライスをリアルタイムに作成する技術であるInteractive Scan Control(ISC)を実用化しシステム内に融合させるため、OpenMRI内のソフトウェアに対する基盤開発を行った。ファントムを使用した実験において有用性を検証することができ、臨床応用の可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床応用に耐えられるよう、術具マニピュレータを変更可能となる機構を搭載させているが、そのことにより若干の稼動域の制限が生じている。また、マニピュレーターの安定性と安全性を検証するため動物実験を繰り返し行なっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題により計算解剖学に基づいたリアルタイム性の高い術中ナビゲーションシステムはその利用価値があることも客観的に証明できた。ただし臨床応用するには、まだ改良するべき点が存在している。今後はその改良点を一つ一つ克服するような形で研究を遂行していくと同時に、本研究課題で排出できた技術を応用することにより、新たな切り口から「新しいナビゲーション手法を応用した低侵襲診断治療システムの開発」という目的を達成する可能性も考慮する。他施設でブレインストーミングなどを行い、アイデアの排出にも邁進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
現時点での実験内容が現有の比較的旧式の手術器具で十分に対応可能であったため、初年度に重点的に計上していたMR対応内視鏡下手術器具(鉗子類、エネルギー源、モニタ、気腹装置)の購入の必要性が相対的に低下し、初年度内で購入するに至らなかったことがあげられる。 MR対応内視鏡下手術器具(鉗子類、エネルギー源、モニタ、気腹装置)の開発や購入に充当する。
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