研究課題/領域番号 |
25284106
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
青木 信之 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80202472)
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研究分担者 |
鈴木 繁夫 名古屋大学, その他の研究科, 教授 (50162946)
竹井 光子 広島修道大学, 法学部, 教授 (80412287)
渡辺 智恵 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80275396)
志水 俊広 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (30269097)
寺嶋 健史 松山大学, 人文学部, 准教授 (90368845)
池上 真人 松山大学, 経営学部, 准教授 (60420759)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 英語学習 / eラーニング / 自律的学習 |
研究概要 |
(1)まず、本科研に参加している各大学における学習の「量」「質」「継続性」について分析を行い、「理想的学習者」とはどのような学習者であるかを作業的に定義した。 (2)「理想的学習者」の作業定義にもとづき、各大学における「理想的学習者」の抽出を行った。 (3)次にこれらの「理想的学習者」について、学習履歴データから「自律的学習行動」を識別し、その特徴を分析した。具体的には、事前に実施している標準化テストによる英語力別に、これらの学習者が自らのレベルに合わせて、どのように学習の「量」「質」「継続性」をコントロールしているのか、例えば一度に学習する量の自己管理や学習時間確保についての自己管理など、学習者それぞれの「自律的学習行動」について分析を行った。 (4)上の分析と同時に、「理想的学習者」とは言えない学習者についても、LMSのデータから学習パタンの分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度に実施した上記(1)~(4)に加え、「理想的学習者」および「理想的学習者」とは言えない学習者を対象としたアンケートやインタビューを実施し、「理想的学習者」の「自律的学習行動」に対する意識を調査するとともに、「理想的学習者」とは言えない学習者については、彼らが抱えている困難点を明らかにする予定であったが、これらを実施する時間的余裕がなかった。
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今後の研究の推進方策 |
まず、平成25年度に実施できなかったアンケート調査およびインタビュー調査を行うとともに、以下を実施する。 (1)平成25年度に明らかにする「自律的学習行動」の特性に基づき、直接的、間接的介入を実施し、「自律的学習行動」の割合が増加するか否かを検証する。平成26年度前期は、直接的介入を実施しその効果を測定する。具体的には「理想的学習者」の自己管理についての努力、工夫、習慣等を教授し、「自律的学習行動」の割合変化について分析を行う。 (2)平成26年度後期は、間接的介入を実施しその効果を測定する。具体的には同程度の英語力グループの学習進捗状況を提示することや、自身の学習ペース診断や過去の学習履歴との比較データ提示など、他の学習者との比較だけでなく、自身の学習を客観的に診断できるようなシステムを構築し、それを用いたサポートを行う。 (3)「自律的学習行動」の育成のための直接的・間接的介入に伴い、学習者の意識がどのように変容するのか、アンケート及びインタビューにより調査する。本英語eラーニングを平成26年度に初めて受講した学習者については、平成25年度の学習者との比較分析を行い、平成25年度に続いて受講した学習者(参加大学のうち2校では、1年次、2年次に渡って共通教育の英語として連続して受講する)については、特に前年度との学習パタンや意識の変化について詳細に分析する。 (4)ここまでの成果を国内・海外の学会において発表する。学会においては可能な限りシンポジウム枠等を使い(これまでの関連研究発表は主にシンポジウムで行ってきている)、できるだけ全体像を詳細に発表するとともに、その知見を多くの研究者と共有する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集・整理補助のためのアルバイト人件費を計上していたが、データの収集と整理の方法がなかなか決まらず、結果的にそのほとんどを研究者らで行ってしまったため、アルバイトの雇用が不要になった。また、CASEC受験料としてかなりの予算を計上していたが、時間割等の関係で受験人数大幅に減らして実施することを余儀なくされたため、受験料が当初予定よりかなり少なくなったため。 平成26年度の研究費の主な使途は以下の通りである:学習プログラムとLMSの改良委託費、インタビュー調査インフォーマントへの謝礼金、データ収集・整理補助のアルバイト人件費、学会発表のための旅費
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