研究課題
内的要因により発症する炎症性疾患である自己炎症性症候群のモデルとして、ENUで誘発された変異マウス系統を用いて、マスト細胞の活性化による自己炎症発生機構を解析し分子標的薬開発へ応用することを目指した。そのため研究計画に沿って、マスト細胞欠損による自己炎症発生の解析、原因遺伝子産物間の相互採用解析、変異マウス骨髄からのマスト細胞培養と網羅的発現解析を行った。これらが新たな分子標的薬開発の端緒となると考えられる。マスト細胞の自己炎症への影響を見るために、マスト細胞を欠損するW/WvとAli14およびAli18との交雑を行って自己炎症を観察した。その結果、Ali18;W/Wvマウスでは完全に自己炎症が抑制された。しかし、Ali14;W/Wvマウスでは自己炎症が観察された。このことより、Ali14マウスではマスト細胞以外にも炎症を引き起こす細胞群がある可能性が考えられた。また、Ali18変異を導入した原因遺伝子を強制発現させた培養マスト細胞をW/Wvマウスに移植しが、自己炎症は発生しなかった。これらより、自己炎症発生にはマスト細胞単独でなく、顆粒球や単球、リンパ球などとの相互作用が必要なことが明らかとなった。しかし、少なくともAli18変異系統においては、マスト細胞が自己炎症発生のトリガーとなることは明らかであるので、網羅的発現解析を行ってどのような遺伝子群が関与しているかの解析を行った。野生型、Ali14、Ali18マウスの骨髄より培養したマスト細胞を、IgE刺激により活性化した状態と刺激なしの状態よりそれぞれRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行った。その結果、Ali18とAli14で共通に上昇する遺伝子群が検出された。また、それぞれ独自に発現変化する遺伝子群も検出された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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