研究課題/領域番号 |
26370829
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
長谷川 順二 学習院大学, 文学部, 研究員 (00523763)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 黄河変遷 / 中国古代史 / リモートセンシング / 『水経注』 |
研究実績の概要 |
当初の研究計画に基づき、リモートセンシングデータの画像解析用PCおよび解析ソフト「ERDAS IMAGINE」・地理情報システム(GIS)処理ソフト「ArcGIS」を導入し、2年目に予定している黄河下流域の現地調査に向けてGPSおよびデジタルカメラを購入するなど、解析用システムの整備を行った。「QuantumGIS」などフリーソフトを中心とした従来システムでもある程度の作業は可能であったが、最新データへの対応や長時間作業を行う際の不安定性などの課題が存在した。しかし今回のシステム整備によって、リモートセンシングデータや現地調査・文献記述で収集した情報を統括して安定的に扱うための準備が整った。 また現地調査に向けた準備として、以下の作業を実施した。①対象地域のリモートセンシングデータALOS AVNIR2や地形データSRTM-DEMを収集した。特に後者については2013年9月より従来公開されていたSRTM-3よりも解像度の高いSRTM-1が全世界レベルで公開されたことによって、以前よりも精度の高い地形状況の把握が可能となった。②『水経注』に記される黄河分流・支流群の経路記述を基準として、対象地域の地方志や地理書の記述を収集した。③これらの収集データをArcGIS上で一元的に管理し、現在の地形情報と照合するための準備を整えた。2年目に予定している現地調査を実施後に、現地で収集したデータを加えることで、最終的に『水経注』に記される黄河本流および支流・分流群の復元を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に予定していた①解析PCおよびソフトウエアの導入、②文献記述やその他地理情報のArcGISへの登録、の2点については予定通りに完了した。上海・復旦大学の研究者とも密接に連絡を取り合い、2年目に予定している現地調査へ向けての準備は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目である本年は当初の予定通りに①夏季に黄河下流域の現地調査を実施、②現地調査で収集した情報と1年目に収集・登録した文献等の情報をArcGISへ登録、という2段階の作業を予定している。
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