研究課題/領域番号 |
26463285
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
高林 知佳子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20637631)
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研究分担者 |
坪倉 繁美 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00521303)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ワーク・ファミリー・コンフリクト / 看護師 / 介護 |
研究実績の概要 |
本研究は、看護師の看護職特有の勤務体制、看護職の組織文化の特性もふまえた「介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクト尺度」を作成し、信頼性・妥当性を検討した後に、家族状況、介護状況、職場の支援状況、社会資源の活用状況等も含めた全国調査を実施し、介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトの規定要因を明らかにし、仕事と家庭の葛藤を低減させる職場環境並びに家庭環境を整えるための課題を明らかにすることを目的とする。 平成26年度は、介護をしながら働く女性看護師の仕事と家庭の葛藤の現状を明らかにすることを目的とし、介護をしながら働く女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトに関する文献調査と介護をしながら働く女性看護師へのインタビュー調査を実施した。 文献調査は、CINHAL、 PubMed、 医中誌web のデータベースを使用し、各出版年から2015 年3月15日までの範囲で「work-family conflict(ワーク・ファミリー・コンフリクト)」AND「nurse(看護師)」の検索式を用いて文献検索を行った。検索された75件の文献のタイトルや抄録を確認し、対象文献としての適性を判断し、最終的に36 件を分析対象とし、現在概念分析を行っている。 インタビュー調査は、A県内の250床以上の病床を有する医療機関のうち調査研究の協力が得られた医療機関の看護師で、親の介護をしながら働いている女性看護師11名を対象に、平成26年11月~12月に実施した。「仕事のために家庭内での役割が十分果たせない」もしくは「家庭のために仕事の役割が十分果たせない」と感じる場面とその理由の観点から、コード間の類似性と相違性、関連性等を検討しながら、カテゴリー化し、カテゴリー内の意味内容について検討を重ねサブカテゴリー、カテゴリーを生成している途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
概念分析の開始が遅れたことと、インタビュー調査の結果分析に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
学術的な概念と現状の相違点を明らかにした上で「介護をしながら働く看護師のワーク・ファミリー・コンフリクト尺度」の原案を作成し、家族の介護をしながら働く看護師病院看護師10名のパイロットテストを行い、回答後のインタビュー内容から改善点を抽出する。完成させた尺度に、基本属性を加えた質問紙を作成し、関東地方(1都6県)の医療機関で介護をしながら働く女性看護師に質問紙を配布し、2回の調査に完全回答した分の再現性を検討した上で、内的整合性を検討する。信頼性を検討した尺度に、基本属性、簡約版蓄積疲労徴候スケール18項目、職業性ストレス尺度JCQ(Job Content Questionnaire)日本語版を加えた質問紙を作成する。さらに、 関西地方の医療機関で介護をしながら働く女性看護師に質問紙調査を実施し、得られた回答の弁別的妥当性、因子妥当性、各健康指標との関連について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献調査を行うにあたり、文献購入費を10万円として計上していたが、文献の殆どを文献複写にて集めたことで、当初予定していた文献購入費を大きく下回る金額となったため。さらには、インタビューデータ入力補助として20万円を計上していたが、予定額より5万円程安価で実施することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
作成した「介護をしながら働く看護師のワーク・ファミリー・コンフリクト尺度」の原案について、家族の介護をしながら働く看護師病院看護師10名に対するパイロットテストを実施するための交通費及び謝金、作成した質問紙の内的整合性をみるための質問紙調査及び弁別的妥当性、因子妥当性、各健康指標との関連をみるための質問紙調査を実施するための通信費(切手)、研究成果発表用旅費、研究分担者との打ち合わせ用旅費、結果の解析ソフト、事務用品等に使用する予定である。
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