日本語能力試験(漢字級)に準拠した漢字の筆記テスト(90問)と四肢選択式の問題紙で、1)四種と二種の選択問題、2)穴埋め問題、3)用法問題(正誤判断)を作成し、81名の日本語学習者(漢字圏、非漢字圏)を対象に、読み能力が筆記能力を予測するか調査を行った。その結果、漢字圏と非漢字圏の間で、テスト形式による差はなかったが、レベル別には差が見られ、レベルの弁別は可能であることが観察された。漢字圏は下位群では、非漢字圏よりも高い得点を示していたが、中位群以上ではその差はなくなった。語彙力の多さは漢字の筆記力には関係しておらず、漢字の読み能力のみが有意な因果関係を示していた。
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