研究課題
本研究の目的は、脂肪・筋培養細胞、動物、ヒトを対象に実験を連動的に推進し、生体内乳酸濃度調節を基盤とした効果的かつ効率のよい画期的な抗肥満法の開発を目指すことであった。そのためには、効果的に脂肪を燃焼し脂肪蓄積を抑えながらも、筋量の減少を抑止するような運動・栄養処方を策定することが、運動意欲の亢進と運動習慣の継続をもたらし、肥満の根本的な予防・改善につながると考えられた。当該年度は、乳酸を基軸としたサプリメントの脂肪減少(抗肥満)に対する効果検証と、分子メカニズムの解明に取り組んだ。具体的に、回転運動器による自発的走運動とサプリメント投与を併用し、内臓脂肪や皮下脂肪重量、ならびに脂肪組織や骨格筋における脂質代謝に関連するタンパク質の発現を解析した。運動単体に比較して、サプリメントを併用することにより体重や、特に皮下脂肪の顕著な減少を認めた。しかしながら、脂肪組織における脂質代謝関連タンパク質の発現量には、一部のタンパク質を除いて顕著な違いは認められなかった。また、骨格筋組織においても、脂肪燃焼亢進に関わるタンパク質の発現量には顕著な違いは認められず、サプリメントが抗肥満に及ぼす影響の詳細なメカニズムについては今後の更なる検討を要する。予備的に、国際共同研究にて、サプリメントの摂取後、一過的に脂肪燃焼が高まることを認めており、その作用メカニズムについての詳細な解析が必要である。一方、中年女性17名を対象に、3ヶ月間にわたる乳酸を基軸としたサプリメントの飲用効果をランダム化比較試験にて検討したところ、プラセボコントロール群と比較して、体重、体脂肪量、体脂肪率の有意な減少を認めた。今後は、被験者数を増やして、再確認する必要がある。
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的は、脂肪・筋培養細胞、動物、ヒトを対象に実験を連動的に推進し、生体内乳酸濃度調節を基盤とした効果的かつ効率のよい画期的な抗肥満法の開発を目指すことであった。そのために、効果的に脂肪を燃焼し脂肪蓄積を抑えるだけでなく、筋量の減少を抑止、あるいは増大させるような運動・栄養処方を策定することが肝要と考えた。実験動物を用いて、乳酸やその混合物投与と低強度・低ボリューム運動トレーニングとの併用の効果検証と分子機序の解明を目指し、実行した。また、ヒトの臨床試験の展開(ランダム化比較試験)も試み、脂肪率の減少が、乳酸を基軸としたサプリメントの飲用によって引き起こされる可能性が示唆された。 これら生体でのサプリメント作用メカニズムについて、現在検証中である。
本研究の目的は、脂肪・筋培養細胞、動物、ヒトを対象に実験を連動的に推進し、生体内乳酸濃度調節を基盤とした効果的かつ効率のよい画期的な抗肥満法の開発を目指すことであった。そのために、効果的に脂肪を燃焼し脂肪蓄積を抑えるだけでなく、筋量の減少を抑止、あるいは増大させるような運動・栄養処方を策定することが肝要と考え、これまで骨格筋や脂肪の組織や細胞を対象に、筋量増大や脂肪減少に対する乳酸を基軸としたサプリメントの効果を検証してきた。さらに、ヒトを対象にサプリメントの抗肥満効果もランダム化比較試験にて検証している。作用メカニズムについての更なる解析が必要である。
本研究に関わり、他の助成金と併用することが可能となったため。
ランダム化比較試験の被験者数を増やすことと、脂肪減少のメカニズムの解明を、動物実験にてさらに詳細に実施する。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
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