研究課題/領域番号 |
62490017
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60195716)
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研究分担者 |
高田 洋子 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員
村川 庸子 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員
高崎 宗司 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (30187942)
梶田 孝道 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (10133357)
荒 松雄 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60012960)
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キーワード | 日本出移民研究 / 日本における外国人労働者の実情 / 東欧における移民問題 / ベトナムの中国人移民 / イスラエルの労働力移動 / タンザニアのインド人移民社会 |
研究概要 |
63年度は、昨年度に引き続き本研究分担者による5回の個別報告、および組織外の専門家からの5回のヒアリングを通して、諸地域における移民労働者の実情が多様な観点から明らかにされ、討論を通じ比較、検討された。以下は研究経過の概要である。(1)日本からの出移民研究に関しては、分担者の高崎宗司による戦前の植民地化政策と並行した朝鮮移民について、また柴田真知子による戦後のエクアドルへの企業移民について報告がなされた。さらに木村健二氏からのヒアリング(「戦前期わが国移植民研究の軌跡」)を通して、日本における移民研究の研究史について知見を深めることができた。(2)東南アジアから日本への出稼ぎ労働者の現状に関しては、分担者の草津攻と村川庸子による山形県大蔵村での調査の中間報告が行われた。さらにこの問題については2回のヒアリングの機会を設けた。出稼ぎ労働者の受け入れ側である日本社会を、伊藤るり氏は高齢化の問題から分析し(「『外国人労働者問題』の分極化- 『衰退』への対応・『成長』への戦略」)、また町村敬志氏は世界都市という観点から考察を加えた(「世界都市と外国人労働者-東京の事例」)。(3)東欧地域に関しては、分担者の高橋和が東欧における民族問題が生み出されていく一つの過程を移民という側面から考察した(「第一次世界大戦前のポーランド移民-移民と"国民化"政策」)。(4)発展途上地域における労働移動の展開過程については以下の報告が行われた。分担者の高田洋子は、植民地政策との関連を中心に仏領期ベトナムの中国人移民について分析した。奥山真知氏は、労働力移動という側面からイスラエル内部のユダヤ人とパレスチナ人の共生を考察した(「イスラエル占領地下の労働力移動をめぐる問題状況」)。また現地調査報告として富永智津子氏からのヒアリングの機会も設けた(「タンザニアにおけるインド人移民社会」)。
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