研究課題/領域番号 |
03640122
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平良 和昭 筑波大学, 数学系, 助教授 (90016163)
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研究分担者 |
福山 克司 筑波大学, 数学系, 助手 (60218956)
柴田 良弘 筑波大学, 数学系, 助教授 (50114088)
若林 誠一郎 筑波大学, 数学系, 助教授 (10015894)
神田 護 筑波大学, 数学系, 教授 (80023597)
梶谷 邦彦 筑波大学, 数学系, 教授 (00026262)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 多次元拡散過程 / フェラ-半群 / 楕円型境界値問題 |
研究概要 |
1.研究目的:一次元拡散過程は、W.Feller,E.B.Dynkin,H.P.McKean JR.,伊藤清等によって解析的にも確率論的にも完全に解明されている。しかしながら、多次元拡散過程は、解析学における偏微分方程式論、関数解析学、複素解析学、確率論と密接に関連する重要な研究課題であるにも拘わらず、一次元の場合と比べると完全な解明からは未だ遠い状態にある。本研究の目的は、多次元拡散過程を解析学の立場から総合的に研究することである。 2.研究実績:研究代表者及び分担者は、多次元拡散過程の境界問題を、最新の偏微分方程式的手法及び関数解析的手法を用いて研究するアプロ-チを発展させることにより、楕円型とは限らない一般の境界条件の場合を詳しく考察することができた。さらに、この研究を通じて、偏微分方程式論における各種の十分条件を、「拡散粒子の運動」という具体的なイメ-ジを通じて、直観的に解釈することを試みた。解析学の偏微分方程式論、関数解析学、確率論の三分野の接点に光を当てる、この研究結果は、「Boundary Value Problems and Markov Processes」(境界値問題とマルコフ過程)、「On the Existence of Feller Semigroups with Boundary Conditions」(境界条件付きのフェラ-半群について)と題してそれぞれ講義録及び特集論文として、シュブリンガ-社(ドイツ)、アメリカ数学会から出版された。これは、この方面で現在最も進んだ研究結果として、欧米を中心に高く評価されたことの証左であり、本研究の目的は十分に達成することができたといえる。 一次元拡散過程の研究の例を見るまでもなく、多次元拡散過程及び関連する諸問題を多分野から総合的に研究して行くことは、今後の解析学の発展にとって益々重要になるものと思われる。
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