研究課題/領域番号 |
05671900
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 重信 九州大学, 薬学部, 助教授 (10162629)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | サーカディアンリズム / 概日リズム / 痴呆 / 視交叉上核 / 同調 / 時刻認知 / メタンフェタミン / アセチルコリン / 体内時計 / 学習・記憶 / 夜間徘徊 / 生体リズム |
研究概要 |
外界の明暗変化に合わせて体内時計のリズムを一定周期に固定する機構を同調機構という。ラットSCNスライスにNMDAを各CTにおいて投与あるいは視神経を刺激するとニューロン活動サーカディアンリズムはCT12-16の処置で著明に後退したが、CT20-0投与では軽度に前進した。このNMDAによる位相後退はMK-801によってブロックされた。またNMDAによる位相変化は、恒暗条件下の光照射による行動リズムの位相変化に類似し、一酸化窒素合成阻害薬で消失したことから、NMDAのこの作用には細胞内情報伝達物質としてNOが関わっていることが明らかとなった。次に夜間徘徊の動物モデルつまり時刻認知障害の動物モデル作製に努めた。その結果(1)外界の明暗情報の障害による時刻認知障害の動物モデルを作製できることが解った。老齢動物を恒常明の条件で飼育したところ、運動量の低下とともに、視交叉上核の神経活動のサーカディアンリズムの低下がみられた。(2)社会的同調障害による時刻認知障害の動物モデル。老齢動物に毎日一定時刻に給餌やメタンフェタミン投与行なっても、時刻認知の形成に伴う運動量の増大がこのような老齢モデル動物では障害されていることがわかった。(3)時刻認知障害動物モデルの特性。NMDA受容体拮抗薬投与により給餌制限およびメタンフェタミン投与ラットのいずれの時刻認知も著明に障害したが、抗コリン薬ではあまり障害が見られず、この点は迷路学習の場合とは異なった。さらにこのモデルを使用して、数種の薬物を評価できたことにより、このモデルの有用性がわかった。次にラットがレバ-を押すと水がもらえるように訓練して、毎日一定時刻にのみレバ-押しにより水が得られるようにすると、時刻予知のレバ-押しが完成できることがわかった。種々の薬物がこの予知行動障害を改善することが明らかとなり、本研究は社会的同調の研究に大いに役立つ研究であると思われた。
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