研究課題/領域番号 |
06232207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中川 裕志 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20134893)
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研究分担者 |
森 辰則 横浜国立大学, 工学部, 講師 (70212264)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 日本語 / 談話 / 複文 / 接続助詞 / 因果性 / 視点 / 語用論 / 言語理解システム |
研究概要 |
本研究では、昨年に引続き、因果関係を表す日本語の複文の意味を分析した。本年度特に中心に検討したのは、視点と動機の観点からの分析である。昨年度は、接続助詞「ので」および「のに」で接続される複文のうち、従属節の述語が「悲しい」などの主観を表す述語の場合について分析した。そして、これらの場合は、従属節において記述される事態から強く影響を受けた経験者あるいはその状況を観察した観察者という意味役割が主節の主語になるという観察を行なった。これにより、従属節ないしは主節において省略された主語の指示対象を決めることができるようになった。本年度は、これを拡張し、従属節および主節で「やる」「くれる」などの授受補助動詞が使用され、視点が影響してくる場合について検討した。この結果、次の制約が得られた。1.従属節で授受補助動詞が使われていると、それから受益者といる役割が設定され、それが主節の主語になる。2.従属節の記述と常識によって主節の主語が決まる場合がある。例えば、「仕事をしたので疲れた」では、従属節は感情や感覚を記述していないので、経験者は設定されないが、常識により主節と従属節の主語が一致するという読みが得られる。3.主節で授受補助動詞が使われていると、「主節と従属節で視点が一貫していなくてはならない」という制約がある。さらに、これらの読みの間の優先順位は、主節の主語に一致しやすいものが次の順であることが分かった。経験者<観察者<常識によってわかる人物<受益者。さらに、これらに優先して3.の視点の一貫性についての制約が働くことも明らかになった。これらの制約を利用した日本語複文理解システムを購入したワークステーションによって試作した。
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