心の理論における他者の再帰的推測に関する構成論的手法に基づく検討とその工学的応用
Project/Area Number |
06J06628
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高野 雅典 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 心の理論 / エージェントベースモデリング / コミュニケーション / ゲーム理論 / 再帰的推測 / コミュニケーショ |
Research Abstract |
他者の心を推測できる個体は心の理論を持つと言われる.社会集団中で他者の心・行動の予測は他者より優位に立つ上で重要であり,心の理論が社会的知能の基盤として進化したと考えられる.本研究は,心の理論の進化的基盤について知見を得ることが目的である.特に,心・行動の推測とそれを前提とした他者の操作の共進化に焦点を当て,構成論的手法に基づいて研究する.一方がなんらかの振る舞いをしたときに,他方がそれを見て相手の意図や行動を推測し自分の行動を変えたのならば,それは前者による後者の行動の操作と言える.ここで,相手を推測すること・操作することが双方にとって有益である状況(例えば行動調整が両者に利得をもたらす場合)を考えると,一方が何らかの振る舞いで意図を示し(操作),他方がそれを理解する(推測)というコミュニケーションの進化を想定可能である.本研究では,他者に関する推測と他者の操作の共進化による言語・コミュニケーションの進化的基盤を検討する.特に,どのようなコミュニケーションが進化可能か,コミュニケーションの進化は社会的環境にどのように影響を受けるか,また,上で想定した振る舞いの記号化,それの送信者・受信者という役割分担化が進化したとき,どのように実現されるか,という3点に焦点を当てる.そのために2者の衝突回避行動を題材としてエージェントベースモデルを設計し,ゲームの利得に基づいた進化シミュレーションを行った.その結果,譲る意図を意味する合図を示すタイミングで調停する「収束型」と両者のシグナルの共振で調停する「振動型」という2つのコミュニケーションの型が進化した.そして,それらのコミュニケーションを明らかにするために情報量などの指標を用いて分析した.収束型は一方が自分の譲歩の意図を合図によって示し(操作),他方がそれを理解する(推測)コミュニケーションと解釈できるものである.これの出現は,連続的な値を取るシグナルから意図を示す合図への記号化,あるいは,同時双方向の相互作用から一方が意図を示すという話し手と聞き手の役割分担化と解釈することも可能である.
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)