研究課題/領域番号 |
06J10980
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
倉田 明子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 洪仁? / 太平天国 / 近代化 / キリスト教 / 宣教師 / カトリック福祉 / 洪仁〓 / 資政新篇 / 墨海書館 / 王韜 / 容〓 |
研究概要 |
前年に引き続き、洪仁?の代表的著書である『資政新篇』の内容ついて研究を進め、そこに見られるキリスト教的要素と洪仁?の西洋認識について検討した。19世紀前・中期に宣教師によって出版された西洋の学問知識や地理に関する書物・新聞などから、『資政新篇』に書かれている内容との比較を行い、洪仁?の知識の裏付けを試みた。この研究を通して洪仁?の西洋認識は当時の彼のキリスト教信仰と不可分のものであり、宣教師が様々な形で主張していた世界観、文明観と非常に似通っていたことが明らかとなった。洪仁?の『資政新篇』を相対的に早い時期に「近代」に出会った中国人知識人のあり方の一つとして捉え、この書物を中国の近代化の流れの中に位置づけるという新しい観点を提示した。この成果は『中国21』第28号に論文「『資政新篇』再考-19世紀中期の中国における「キリスト教的近代化」の模索」として発表された。 また、9月には台湾、香港を訪問し、洪仁?とも同じく宣教師を通して近代的知識を受容した知識人である王?に関わる資料を収集した。特に台湾の中央研究院にて王?の自筆の日記を閲覧、収集した。また、香港においてはマイクロ化された宣教師の伝記、筆記等を入手した。年末には太平天国発祥の地である広西省金田村を訪問する機会を得、周辺の村落の調査、現地研究者との交流等を行った。 また、自身の研究テーマと深い関わりを持つ香港におけるキリスト教研究の一環として、科学研究費補助金採択課題「東北アジアにおけるカトリック社会福祉の歴史的研究」(基盤研究(A)、長崎純心大学)に研究協力者として関わり、「外来者から主演者へ-香港におけるカトリック社会福祉の歴史」を発表した。さらに、12月には香港中文大学カトリック研究センターが主催したシンポジウム Conference on History of Catholic Religious Orders and Missionary Congregations in Hong Kongに参加し、日本占領期の香港におけるカトリック教会について口頭発表を行った。
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