第一原理電子状態計算法による含水カンラン石高圧相の構造と弾性特性の解明
Project/Area Number |
06J40001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
土屋 旬 Ehime University, 上級研究員センター, 上級研究員
|
Project Period (FY) |
2006 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | マントル遷移層 / 弾性 / 含水量 / 高圧 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、第一原理電子状態計算法を用いて含水カンラン石高圧相(β相)構造中に1.65,3.3wt%の水を含んだ組成に関し水素欠陥構造の決定とその弾性特性を調べた。弾性定数は構造中に含まれる水の量に比例して減少し、実測とのよい一致が得られた。さらにまだ実験的に報告されていない含水β相の弾性定数の圧力変化を計算し、マントル遷移層圧力条件下における含水β相の地震波速度を見積もった。その結果、マントル遷移層上部圧力(約15GPa)において最大水固溶量3.3wt%まで含む場合、含水β相の速度は無水の速度に対しp波,s波それぞれ-3.9%,-4.8%程度減少するという結果が得られた。さらにこのβ相に1wt%の水が含まれることによって減少する体積弾性率・剛比率はそれぞれ340-430K,290-350Kの温度上昇によって引き起こされる体積弾性率・剛性率の減少と同等であるということが見積もられた。すなわち、マントル遷移層における低速度領域は、高温異常と水の濃集の両方によって説明可能である。またwadsleyiteのVp/Vs比や異方性に与える水の影響についても調べ、地震波の観測によって報告されている結果との比較により、マントル遷移層における水の効果について包括的な議論を行った。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)