中性原子及び極性分子ボーズ凝縮体の量子渦を用いた超流動ダイナミクス研究
Project/Area Number |
07J01256
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡野 真之 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 中性原子 / 極性分子 / レーザー冷却 / 量子縮退 / 量子渦 / 超流動 |
Research Abstract |
本研究で、私はこれまでにない新たな系であるイッテルビウム原子・リチウム原子の異核極性分子BEC生成に向けて、実験装置開発およびレーザー冷却実験を行なった。昨年度において、真空槽内におけるイッテルビウム原子およびリチウム原子の供給源として、新たにハニカムオーブンシステムを開発し、特殊な窓と超高真空用接着剤を用いたガラスセルを新たに設計するなど、実験装置の開発と予備実験を行なった。これらの予備実験結果を踏まえ、当該年度においては、開発済みの原子ビーム源であるハニカムオーブンやガラスセルを超高真空槽に組み込んだ。また、イッテルビウム原子の原子ビームをゼーマン減速するための光源開発を行ない、超高真空槽にゼーマン減速と磁気光学トラップ(MOT)に必要な磁気コイルをそれぞれ自作して設置し、イッテルビウム原子のレーザー冷却実験を行なった。400℃程度にオーブンを熱して原子ビームとしてイッテルビウム原子を取り出し、対向して399nmのレーザー光を入射することで、ゼーマン減速を行ない原子ビームを減速した。そしてガラスセルに波長556nmの対向する6本のMOT用レーザー光を入射することで、イッテルビウム原子の磁気光学トラップに成功し、原子集団からの蛍光をCCDカメラでとらえることに成功した。次に、リチウム原子のゼーマン減速とMOTに必要なレーザー光源開発を行なった。新たに532nmのレーザー光で励起された色素レーザーを開発し、671nmで発振させて350mW程度のパワーを得ることに成功した。色素レーザーの周波数を安定化させるために、インバー製外部共振器を自作し、周波数の安定化を行なった。イッテルビウム原子と同じく、ゼーマン減速を行ない原子ビームを減速した。そしてガラスセルに波長671mの対向する6本のMOT用レーザー光(およびリポンプ光)を入射することで、リチウム原子の磁気光学トラップに成功し、原子集団からの蛍光をCCDカメラでとらえることに成功した。最後に、イッテルビウム原子とリチウム原子のゼーマン減速とMOT用のそれぞれのレーザー光を空間的に重ねてガラスセルに入射することで、イッテルビウム原子とリチウム原子を同時に磁気光学トラップして空間的に捕獲・冷却することに成功した。イッテルビウム原子とリチウム原子の同時磁気光学トラップは世界初の成果であり、今後は炭酸ガスレーザーによる光トラップで同時光トラップを行なうことで、磁場によるフシュバッハ共鳴を用いた分子生成、光会合による分子生成を経て、極低温異核極性分子BECの生成が実現できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)