研究課題/領域番号 |
08044290
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
黒田 昌宏 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50225306)
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研究分担者 |
DARET K.St.C Medical Center, University of Kentucky, 助教授
川崎 祥二 岡山大学, 医療技術短期大学部, 教授 (20034952)
DARET.K St Clair University of Kentucky Medical Center Associate professor
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Mn-SOD / 放射線 / 化学療法 / 遺伝子治療 / 遺伝子導入 / 集学的治療 |
研究概要 |
Manganese superoxide dismutase(MnSOD)遺伝子導入による放射線療法(重粒子線を含む)、化学療法、温熱療法の効果の増強についてin vitro, in vivoにおいて検討し、MnSOD遺伝子を用いた遺伝子療法と従来の治療法との併用療法の有用性およびその臨床応用の可能性を検証した。 遺伝子導入細胞には、C3Hf/Sedマウスに自然発生した線維肉腫細胞であるFSa-ll細胞を用いた。ヒトMn-SODcDNAを、リポフェクチン法により細胞に導入し、Mn-SOD遺伝子量が多く、Mn-SOD活性も高い細胞株をSOD-H、対照としてベクターのみを導入した対照細胞株をNEOとして細胞株を樹立し実験に使用した。SOD-Hにおける遺伝子導入後のMn-SOD活性の変化を、Mn-SOD activity gel assay法を用いて検討した。遺伝子導入後、40代までの細胞の継代においてはMn-SOD活性は高値を維持していたが、その後80代までに活性は低下してゆく傾向を示した。また、細胞継代時のトリプシン処理後2時間目の早期からMn-SOD活性が細胞内に発現し高値となることを確認した。 放射線医学総合研究所(千葉市稲毛)のHIMACを用いて、in vitroでの低Linear energy transfer(LET)線である^<60>Coのγ線と重粒子線で高LET線である290MeV炭素線に対する放射線感受性の比較すると、^<60>Coのγ線に対してSOD-HではNEOよりも放射線抵抗性となる傾向があるが統計的有意差はみられなかった。高LET線ではSOD-H、NEOともに放射線障害からの回復はみられず、生存率直線にもほとんど差はみられなかった。In vivo における^<60>Coのγ線と290MeV炭素線に対するNEOとSOD-HのTCD50値をLQmodelを用いて予測した。^<60>Coのγ線に対する予想TCD50値は、NEOが16.2Gy、SOD-Hが9.3Gy、290MeV炭素線に対してはNEOが7.1Gy、 SOD-Hが3.0Gyであった。現在、実際にin vivoにおいて重粒子線治療とMn-SDO遺伝子治療を併用し、この有用性の検討を行っている。化学療法剤の作用機序として、ラジカル形成が関与するMMCおよびADRと、ラジカル形成が関与しない5FUとにおいて、感受性の差を検討した。SOD-HではNEOと比して、MMCに対する致死効果が低下した。5FUに対しては致死効果の低下は見られなかった。ADRはSOD-HではNEOと比して細胞内取り込み量が多く、致死効果も高くなった。TG50法を用いたin vivoにおけるADRの効果はSOD-HではNEOと同程度であった。現在、TG50法を用いてin vivoでのMMCおよび5FUへの影響を検討している。以上の結果より、MnSOD遺伝子導入治療と放射線、特に重粒子線と化学療法剤特に5FU、ADRを集学的に用いるとin vivoにおける治療効果が増強することが示唆された。 今後in vivoにおけるこれらの集学治療の有用性を検討する。この検討のなかでは、臨床応用に向けてのin vivoにおけるMnSOD遺伝子導入手技を用いた放射線化学療法との集学的治療の検討も行う予定である。
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