GalNAc:ポリペプチド・トランスフェラーゼの発現抑制による癌治療法の開発
Project/Area Number |
08266254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10165128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 正晃 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70240926)
牧口 祐介 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40274922)
伊東 文生 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90223180)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | GalNAcトランスフェラーゼ / アンチセンス抑制 / O-グリカン / 免疫遺伝子療法 |
Research Abstract |
ムチン型糖蛋白による癌細胞保護作用は、主にN-acetylgalact osamine(GalNAc)の結合に基く直線的で硬い構造によって細胞表面抗原が隠蔽されることによるとされる。従って、癌細胞におけるその全合成の阻害は新しい癌治療法の一つとなる可能性がある。本研究ではヒト胃癌細胞株JRSTに,アンチセンスGalNAc-T1 cDNAを導入しトランスフェクタントを得、これを用いた以下の結果を得た。(1)得られたアンチセンストランスフェクタントにおいてGalNAc-T1 mRNA及び蛋白の発現レベルの低下が認められた。(2)アンチセンストランスフェクタントのin vitroにおけるNK及びLAK細胞に対する感受性が著明に増強した。(3)アンチセンストランスフェクタントは、in vitroでは対照細胞と比較して増殖能に差を認めなかったが、SCIDマウスを用いたin vivo腫瘍増殖能では著明な低下を示した。この増殖低下は抗アシアロGM1抗体投与により消失した。 現在までにGalNAc transferaseファミリーに属する3種のアイソザイム(GalNAc-T1,-T2,-T3)がクローニングされている.本研究ではGalNAc-T1のみの発現を抑制したにもかかわらず,著明なNK及びLAK細胞感受性の増強が認められた.この理由として,GalNAc-T1と-T2あるいは-T3の塩基配列に高い相同性をもつ領域が存在することにより,GalNAc-T1のアンチセンスmRNAが他のGalNAc transferaseの発現を抑制している可能性が考えられた.また,これまでにGalNAc-T1,-T2,及び-T3の間で基質特異性の差異が示されていることから,GalNAc-T1の基質特異性が-T2,-T3に比べ腫瘍細胞のNK感受性に優位に関与している可能性が推察される.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)