研究課題/領域番号 |
08457071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
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研究分担者 |
児玉 龍彦 (児玉 竜彦) 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
宮川 和久 熊本大学, 医学部, 助手 (00244111)
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部, 助教授 (90155052)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | スカベンジャー受容体 / マクロファージ / 粥状硬化 / 泡沫細胞 / 遺伝子欠損マウス / 肉芽腫 / 免疫組織化学 / モノクローナル抗体 / 免疫組織科学 / ヒトMSR / 動脈硬化症 / 免疫電顕 / AGE / MSR knock out mouse / 修飾LDL / 細胞内動態 |
研究概要 |
1. ヒトマクロファージ・スカベンジャー受容体(MSR)に対するモノクローナル抗体ならびにMSR合成蛋白に対するポリクロナール抗体を作製し、ヒトの各所組織でのMSRの発現を細胞レベルならびに超微形態レベルで検討した。その結果、生体各所に広く分布するマクロファージにMSRの発現と細胞膜上での局在を証明した。ウシやマウスMSRモノクローナル抗体を用いたウシやマウスの組織でもほぼ同様の分布と局在が確認された。 2. ヒト、ウシ、マウスの検討で、MSRは酸化LDLなどの修飾LDLやAGEと結合し、それらの取り込みに関与することが推定された。MSR欠損マウスでは、これらのリガンドのマクロファージによる取り込みに有意な減少が見られ、MSRがこれらリガンドの取り込みに直接関与していることが立証された。 3. ウシ肺胞マクロファージで、金コロイド粒子で標識したアセチルLDL、酸化LDL、AGEなどのリガンドをトレーサーにウシMSRモノクローナル抗体D2を用いMSRの細胞内動態を追跡し、MSRは細胞膜上でリガンドと結合し、取り込み、エンドゾーム内で解離し、ゴルジ装置を経由して細胞膜に回帰することが証明された。 4. ヒトの動脈硬化症では、マクロファージ由来の泡沫細胞にMSRの発現が証明され、マクロファージによる脂質の取り込みにMSRの関与が推定された。アポE欠損マウス、高脂肪食飼育LDL受容体欠損マウスに比べて、アボE・MSR二重欠損マウス、高脂肪食飼育LDL受容体・MSR二重欠損マウスにおける動脈硬化病巣の形成は抑えられ、MSRが動脈硬化症の発症に関与することが立証された。 5. MSR欠損マウスにCorynebacterium parvum死菌を投与し、肝肉芽腫形成過程を検討すると、野生型マウスに比べて、肝肉芽腫の形成が遅延し、MSRが生体防御上重要な役割を演じていることが明らかにされた。
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