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細菌細胞逆転写酵素によるcDNA合成機構とアンチセンスDNAによる遺伝子発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 08780658
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 分子生物学
研究機関岡山大学

研究代表者

島本 整  岡山大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90187443)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード逆転写酵素 / 大腸菌 / アンチセンスDNA / 遺伝子発現制御 / msDNA / cDNA
研究概要

細菌逆転写酵素は,multicopy single-stranded DNA (msDNA) と呼ばれる特殊な RNA-DNA 複合体の合成に必須の酵素である.逆転写酵素(RT)遺伝子は、msr-msd 領域とともに1つのオペロンを形成しており、レトロンと呼ばれている.研究代表者らによるこれまでの研究で細菌 RT による msDNA 合成にとって必須の msr-msd RNA 領域が明らかになってきた.本研究では,まず精製 RT を用いた in vitro の msDNA 合成系を利用して,詳しい cDNA 合成機構の解明を目指した.プライマーとなる msr RNA と鋳型となる msd RNA をそれぞれ別のプロモーターより in vitro で合成した後アニーリングし,cDNA 合成を行った.得られた cDNA は,msr と msd が分離しているにもかかわらず野生型と同じ部位より cDNA の合成が始まっており,msDNA に特徴的な2',5'-ホスホジエステル結合を形成していることが推定された.本研究の結果は,RT が鋳型 RNA を認識する場合には重要な msr 領域とアニーリングする鋳型 RNA さえあれば任意の cDNA を合成できる可能性を示唆している.
次に in vitro 系で得られた知見をもとにして細胞内で任意の cDNA を合成することのできるプラスミドベクターの開発を行った.msr 領域と msd 領域を分離してそれぞれ強力なT7プロモーターの下流につなぎ,RT 遺伝子とともにプラスミドに組込んだ.このプラスミドを T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子を持つ大腸菌に導入し,発現を調べたところ cDNA の合成が認められた.msDNA 合成系は,現在唯一 in vivo で安定な一本鎖 DNA を合成することのできる系である.そこで,この系を利用してアンチセンス DNA などの一本鎖 DNA を細胞内で発現させることによって新たな遺伝子発現制御系を開発することができると考えている.アンチセンス DNA は,標的遺伝子の mRNA に結合した際に細胞内の RNase H によって積極的に標的 RNA を分解させることができるため現在一般的に広く用いられているアンチセンス RNA より少ない発現量で効率良く遺伝子の発現抑制を行うことができるという利点がある.ここで用いたプラスミドをベクターとして利用することによって今後任意の cDNA を合成できると考えられる.また,msr と msd を分離した場合でも in vivo で cDNA が合成されたことから細菌の RT が細胞内で msDNA のみでなく種々の cDNA を合成している可能性が示唆された.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masayori Inouye: "In vivo production of oligonucleotides of specific sequences ; application to antisense DNA" Ciba Foundation Symposium Proceedings. (in press).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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