研究課題/領域番号 |
08780816
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩坂 正和 東京大学, 医学部, 助手 (90243922)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 血栓線維素溶液 / 強磁場 / 勾配磁場 / フィブリン / プラスミン / 反磁性物質 / 非侵襲的血栓溶解法 / 磁場泳動現象 |
研究概要 |
超伝導マグネットを用いて、最大14テスラ強磁場中での血栓形成・血栓線維素溶解系の物質動態を調べた。 1.強磁場を用いて体外から反磁性磁気力を作用させることで、非侵襲的な血栓溶解促進を行う磁場治療法の基礎的な機構を調べた。フィブリン平板法およびフィブリン・カラム法を用いた測定より、磁場と磁場勾配の積が最大370T^2/mの勾配磁場においてフィブリン溶解反応を観測した場合、フィブリン溶解量が増加することを見い出した。この機構として、反磁性物質のフィブリンや水に対して磁気力が作用した結果、フィブリンと水の磁化率の相違によって、フィブリン重合体の遊離とプラスミン溶液の拡散が磁場により促進されるモデルを提案した。 2.血栓線維素溶解系の酵素プラスミン、および血液凝固系の酵素トロンビンの熱的安定性に対する強磁場暴露の影響を調べた。最長80時間の34℃での保温によるプラスミンの失活過程において、保温開始時刻より60時間以降のプラスミン活性が不安定な期間にて、8Tの強磁場が失活を促進することを低分子量ペプチドの合成基質を用いた活性測定により見い出した。しかし、保温開始時刻より60時間以内のプラスミン活性が安定な期間、またはフィブリンを基質とした活性測定では磁場による失活促進作用を見い出さなかった。 3.磁場配向現象の生化学的測定への応用例として、プラスミンによって部分的に切断されたフィブリノーゲンを磁場中で凝固させ、フィブリンの偏光状態を測定することでフィブリノーゲンの凝固能を調べる方法を検討した。分子量34万Dのフィブリノーゲンの溶液中において、分子量が約25万DのフラグメントXと分子量が約15万DのフラグメントYが生成された時点で、フィブリンの磁場配向度が顕著に減少することを観測した。
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