研究課題/領域番号 |
08F08385
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
喜多 隆 (2010) 神戸大学, 工学研究科, 教授
和田 修 (2008-2009) 神戸大学, 工学研究科, 教授
|
研究分担者 |
CHAOYUAN Jin 神戸大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
JIN Chaoyuan 神戸大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 量子ドット / 光スイッチ / 面型光デバイス / サブバンド間遷移 / 超高速光線形 / 超高速光非線形 |
研究概要 |
光信号処理技術では、近い将来100Gb/sから1Tb/s級の超高速化が必要となるが、そのためには基本素子となる超高速全光スイッチの実現が必須である。本研究では、量子ドットと1次元フォフォトニック結晶とを組み合わせることによって高効率の面型構造超高速光スイッチを実現することを目的とする。本年度は、これまでに最適化した設計により量子ドット光スイッチ素子を製作する一方、新しい非線形評価システムによる特性評価を進めて、量子ドット光スイッチの超高速スイッチとしての適用性を評価した。以下に成果の要点をまとめる。 光スイッチの設計では,これまでの研究で明らかになった結果を用い、電子第1励起準位が1.3μm付近の長波長領域に対応する量子ドットにおいて、励起準位と基底準位との間の超高速サブバンド間緩和を利用するデバイス構造を採用した。また、多層膜共振器構造には出力最大化のための新構造(16/30周期)を採用してデバイスを製作した。 このデバイスにおける吸収飽和の応答特性を確認するために、ポンプ・プローブ法による測定を実行し、1.24μmの波長で、20psの超高速応答と、2.5fJ/μm^2の低スイッチングエネルギーのデータを得た。 一方、量子ドットの非線形性の評価を屈折率特性の変化から評価するために、マッハツェンダー干渉計配置を持つ位相変化測定系を構築し、デバイスの光励起時における位相変化量特性の測定を行った。その結果、励起エネルギー0.2fJ/μm^2において18゜の位相変化の観測に成功した。これは量子ドット面型光スイッチにおける屈折率変化に基づく位相変化を初めて検出したものである。この結果は、量子ドット面型光スイッチが、吸収飽和型スイッチのみならず、さらなる超高速・低エネルギーのマッハツェンダー型光スイッチにも適用出来ることを実証したものである。 以上の結果から、量子ドット面型超高速全光スイッチの超高速吸収飽和スイッチング特性、およびこれに対応する屈折率変化を実証することができた。これを通じて、InAs量子ドットと多層膜共振器との組み合わせによる面型光スイッチ構造が、超高速・低エネルギー光スイッチとして適用可能であることが明らかになった。
|