研究課題/領域番号 |
09J01812
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石塚 匠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員DC2
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | DNA / pcPNA (Pseude-complementary peptide nucleic acid) / Strand invasion / 染色体 / グアニン四重鎖(G-quadruplex) / テロメア / 分子認識 / セリウム(IV) / pcPNA(Pseude-complementary peptide nucleic acid) / SSB(Single-stranded DNA binding protein) |
研究概要 |
人工DNAカッター(ARCUT)は、二本鎖DNAの望みの位置を化学的に加水分解する技術であり、次世代のバイオテクノロジーツールとして大いに貢献が期待されるものである。申請者はさらにそのARCUTの実用性を検証すべく、ヒトゲノム中のテロメア部位の位置選択的切断に関する研究に着手した。従来系では不可能であった1本の染色体のみのテロメア長を直接的に観察することを可能にするものである。実際にHeLa細胞およびHEK293細胞から抽出したヒトゲノム中のXp/Yp染色体のみ、あるいは11q染色体のみを所定の部位で切断することに成功した。こうして単一染色体を検出する系を構築することができ、遺伝子工学ツールとしての拡張を達成した。 さらにPNAの特長を利用して、二本鎖DNA中の標的配列の両鎖を同時に認識する新規認識系の構築に関する研究にも着手した。標的配列としては二本鎖DNA中のガン関連遺伝子のプロモーター部位とし、その配列を高効率的に認識することを遂行した。ここで、標的としたプロモーター部位は、分子内でグアニン四重鎖構造を形成し、その下流の遺伝子の発現を制御している。そこで、PNAと標的配列中のDNAとの分子間でグアニン四重鎖構造を形成させ、その部位を位置選択的に認識することを目標とした。実際の検討では、設計通りに高効率的な認識を1種類の単純な8量体PNAで実現した。さらに本認識手法と当研究室で知見があるCe(IV)/EDTA錯体の加水分解能を併用することでプロモーター部位のみに対して容易に二本鎖切断を導入することにも成功した。こうして二本鎖DNA中の標的配列の両鎖を同時に認識することを新規な概念を導入することにより達成した。このことは、生体内の修復機構のひとつである相同組み換えを利用することで、ヒト細胞中での効率的な遺伝子編集を可能とすることが期待される。
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