研究課題/領域番号 |
10176223
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 重信 広島大学, 医学部, 教授 (30026843)
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研究分担者 |
片山 禎夫 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (00211160)
川上 秀史 広島大学, 医学部, 助手 (70253060)
笹 征史 広島大学, 医学部, 教授 (20025654)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | グルタミン酸輸送蛋白 / グルタミン酸 / エルゴット・アルカロイド / 細胞死 / アルツハイマー病 / 海馬 / 前頭葉 / 小脳 |
研究概要 |
神経細胞が過剰のグルタミン酸により細胞死を起こすことはよく知られている。シナプスにおけるグルタミン酸濃度はグルタミン酸輸送蛋白によって調節されている。したがって、グルタミン酸輸送蛋白を介する神経細胞死の防御について検討した。グルタミン酸輸送蛋白はアミノ酸エルゴット・アルカロイドと10分間プレインキュベーションすることによって、グルタミン酸に対する親和性を増すことを明らかにした。ブロモクリプチンなどのアミノ酸エルゴット・アルカロイドによるグルタミン酸輸送蛋白の機能増強作用はアミン・エルゴット・アルカロイドではみられない。また、ドーパミンD1、D2受容体アゴニストやアンタゴニストの添加による影響は受けなかった。ブロモクリプチンには抗酸化作用があるところから、同様の抗敢化作用を持つビタミンEやdithiothreitolを添加したが影響はみられなかった。おそらく、アロステリック・サイトに作用して、蛋白代謝に影響するものと考えられる。 一方、アルツハイマー病剖検脳では海馬や前頭葉でグルタミン酸輸送蛋白のうち、グリアに存在するGLT1やGluT1の発現が低下していることを明らかにした。これらのグルタミン酸輸送蛋白の発現は小脳では対照群と差がみられなかった。アルツハイマー病では神経細胞は減少するが、アストログリアなどのグリア細胞は増加するので、GLT1やGluT1といったグルタミン酸輸送蛋白は増加することが予想される。しかるに、それらグルタミン酸輸送蛋白の発現が減少していたのはグルタミン酸の放出低下によるグルタミン酸輸送蛋白の発現低下を反映しているものと考えられる。それにより、神経細胞死が加速されるものと考えられる。
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