研究課題/領域番号 |
10470061
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部, 教授 (90155052)
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研究分担者 |
宮川 和久 熊本大学, 医学部, 助手 (00244111)
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
坂下 直実 (坂下 直美) 熊本大学, 医学部, 講師 (90284752)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | マクロファージマーカー / スカベンジャー受容体 / モノクローナル抗体 / 組織マクロファージ / 免疫組織化学 / 病理組織 / パラフィン切片 / CD204 / ノックアウトマウス / 単球分化 / 動物組織 / 免疫組織科学 / ヒト組織 |
研究概要 |
マクロファージスカベンジャー受容体(MSR)は、マクロファージによる異物認識のための主要な受容体の一つであり、粥状硬化病巣におけるマクロファージの泡沫細胞化や生体防御において重要な役割を果たす。本研究では、MSRリコンビナント蛋白を抗原としてMSR欠損マウスを免疫し、5種類のモノクローナル抗体を得た。イムノグロブリンサブクラスは何れもIgG1,κであり、Western blottingによって、何れもヒトMSRと特異的に反応することが確認された。 ヒト組織の検索から、これらの抗体は種々の臓器の組織マクロファージに陽性所見を示したが、皮膚ランゲルハンス細胞やinterdigitating cellなどの樹状細胞は陰性であった。血液単球は陰性であったが、培養1日目から陽性となり、単球からマクロファージへの分化に伴って発現が増強した。熱処理による抗原賦活法を用いることによりパラフィン切片への応用も可能で、パラフィン切片を用いた病理組織の検討では、これらの抗体は種々の炎症性疾患における浸潤マクロファージに陽性であった。肉芽腫性疾患では類上皮細胞や多核巨細胞にも陽性所見を呈した。一方、腫瘍性疾患については、悪性組織球症における腫瘍細胞に陽性で、骨巨細胞腫では単核の間質細胞は陽性であったが、多核巨細胞には陰性であった。一部の抗体は、種々の動物におけるMSRとの交叉反応も認めた。 これらの結果から、今回作製した抗MSRモノクローナル抗体は、組織マクロファージに対する新しいマーカーと考えられ、粥状硬化をはじめマクロファージが関与する種々の病態の解析に有用と考えられた。さらに、各種の動物モデルにおけるMSRの役割解明にも有用なことがわかった。尚、第7回国際CD会議では、本抗体のマクロファージマーカーとしての有用性が認められ、MSRに新しいCD番号であるCD204が付与された。
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